“生命”ってなんだ?

「靴には生命があります。しかし、靴には生命保険がないので、大切にその生命を守ってあげる必要があります。」

日本を代表する靴磨き職人、井上源太郎さんの言葉です。

こんな言葉も言われます。

「靴の痛みを知り、それにちゃんと答えられるのが職人だと思います。」

趣味の少ない私ですが、以前とある雑誌で、井上さんの靴磨きに対する思いの綴られた記事を読んでから、靴を磨くことが趣味の一つになりました。ゆっくりと丁寧に、時間をかけて靴を磨く。至福の時です。

靴というのはここでは革靴のことを指します。素材を調べてみると、牛、馬、羊など様々な種類があります。すべて生命からの成り立ちです。例えば、ここぞという時に履く、一張羅の靴があったとします。普段履きはせず、大切に靴箱にしまっていたはずの靴をいざ出してみると、革の艶がなく、保管状態によっては、カビが生えていたという経験はないでしょうか。逆に、仕事やプライベートなどで普段履きしている靴は、傷がついたり、色褪せしたりと、段々と痛んできます。もちろん寿命もあります。靴磨きは、欠かすことの出来ない大切なメンテナンスです。

靴磨きによって、私の靴はピカピカになります。しかしある時、職人が磨いた靴を拝見すると、到底及ばない美しい輝きを放っていました。何が違うのだろうと、今一度井上さんの記事を読んでみました。私の言葉で解釈すると、職人というのは革靴という生命を預かる故、むやみやたらに靴を輝かせるのではなく、それぞれの革靴が持つ成り立ち、性質、そして靴の痛み、全てを見抜き、知り尽くしたうえで靴を磨くとのこと。そのため、どの様な革靴であっても分けへだてなく輝かすことが出来、それぞれの靴が持つ“本来最高の輝き”を放たたせることができるのだと。

深い。

私には以前より憧れの靴がありました。昨年末東京に行く機会があり、友人を連れ添い専門店へ。実物を見て、足を通すだけで満足する予定でしたが、

この機会を逃してなるものか、、、
という悪魔のささやきが聞こえ、

しかし高額、、、
という現実的な理性が働き、

いやいや大切にすれば一生モノ、、、
という根拠の無い自信が芽生え、

だけど妻に何と釈明すれば、、、
という最も憂慮すべき問題が脳裏をよぎり、

 

プライドに満ち溢れた表情の店員さんを目の前に、

靴に足を通し、

直立したまま数分間の心の葛藤、、、

 

 

 

そして、

 

 

 

購入。

 

憧れの靴を手に入れてから、もうすぐ一年が経ちます。未だに一度も履いていません。っと言いますか、履けません。その靴に見合うだけの器ではないのか、それとも勿体ぶっているだけなのか。自分でもよくわかりません。ただ一つだけ感じることは、生命の重み。人工の革では感じることのなかった感覚。高価で希少な靴を購入して初めて感じた生命の重み。一度も履いていませんが、メンテナンスは欠かしません。

今年も年末に東京へ行きます。天気予報にもよりますが、思い切って履き下ろそうと考えています。

 

妻の顔色を窺いながらね、、、

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筆者 山下瑞円

「耐雪梅花麗」~ぼくらのカープ~

今シーズンで引退することとなった黒田博樹投手の座右の銘「耐雪梅花麗」。

元々は西郷隆盛が詠んだ詩の一句で梅花は寒い冬に耐え忍ぶことで春になると一番麗しく咲くという意味である。

挫折だらけの野球人生の中で這い上がってきた黒田投手そのものを現す言葉だろう。

それは25年間優勝を待ち続け、耐えて耐えてついに花を咲かせた今年のカープにもぴったり当てはまる。

ここ数年カープの人気はすさまじいものだ。カープ女子。カープ芸人。色々なコラボ商品。更にはカープ仏壇なるものも登場した。

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数十年前までは地元だけの盛り上がりでしかなかったが今や全国区の人気である。人気は球界のトップクラスであるが優勝となるとなかなか手が届きそうで届かなかった。

今年のペナントが始まる前、恒例の野球評論家による順位予想、大方の予想は4位5位。優勝候補にするのはカープのOBぐらいだった。

そんな中、今季大ブレークしたのがプロ4年目の鈴木誠也選手。
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オリックス戦、6月17日・18日と2日連続のサヨナラアーチ。さらに19日にも決勝ソロホームランを放ち、本拠地で3日連続のお立ち台に上がった21歳の若武者は「最高で~す!」と何度も絶叫した。

その活躍ぶりから緒方監督が放ったひとこと「神ってる」。

最初聞いた時、どういう意味なのか分からない方もいたのではないだろうか?しっくりこない方も少なくないのでは?いわゆる若者ことばである。

これは「神懸っている」を省略した言葉で、「神懸る」は神が乗り移っているかのような、普通ではありえない状態を示す言葉。特に普段は想像もできない大活躍をした人や凄まじい成果を残した人に使われるようだ。

もし流行語大賞に選ばれたなら受賞するのは「神ってる」発言をした緒方監督か、「神ってる」男鈴木誠也選手か、どちらになるのか?

カープは鯉のぼりの時期までとよく言われていたが、今季は怒涛の勢いで6月には11連勝を遂げると、あれよあれよという間に一気に頂点へ駆け上がり、大方の予想を覆した。

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そして9月10日、ついに25年ぶり7度目の セントラルリーグ優勝 を決めたのだ。

深夜の本通りでは道行く人々がハイタッチでねり歩き、「宮島さん」の大合唱♪
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ある方は、新井選手に似ているというだけで胴上げされ、ファンならずとも狂喜乱舞した。(気になる方は検索してみてください。新井選手ソックリです(^^♪)

翌日からは優勝セールなど、今年のカープが広島にもたらした経済効果は331億円にものぼる。

私も恩恵にあずかろうと街へと繰り出してみたが人・人・人・・・人込みをかき分けて歩くだけで精いっぱいだった。

ファンのボルテージも最高潮まで達し、カープイベント・パブリックビューイングなどいたる所で行われた。

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備龍会の会員のお寺、崇興寺ではクライマックスシリーズ・日本シリーズと本堂でパブリックビューイングが行われていた。地域に開かれた寺院を目指し、少しでもお寺へ来るきっかけを作り、尊いご縁にあってもらいたいというすばらしい企画である。大いに盛り上がっていた。
%ef%bf%bdf「仏(ぶつ)ってる」 とでも言うべきか(^-^)

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惜しくも日本シリーズでは悔しい結果にはなったが、期待・喜び・感動・・・・この1年間カープが私達に与えてくれたものは計り知れない。

新井選手の2000本安打・300本塁打に黒田投手の日米通算200勝達成も成し遂げられ、大いに楽しませてもらい、夢のようなシーズンだった。

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今シーズンの喜びと悔しさ。この経験はさらなる力となり未来へ繋がっていくであろう。

来季も自慢のボールパークで一喜一憂し「ぼくらのカープ」と共にさらなる頂きを目指そうではないか!

 

筆者 河村祐昭

「仏法領の物をあだにするかや」~蝋燭アーティストへの道?~

お荘厳に欠かせない”蝋燭”は仏さまのお心を表しているともいわれます。
“光”によって迷いの闇を晴らす智慧の光明、そして”ぬくもり”は固まった私の心を解きほぐしてくださるお慈悲といただくことができます。
また蝋燭を命と喩え、「いつ風が吹いて消えてしまうかもわからない今を生きている」ともお聞かせいただきます。

この蝋燭の種類は、「和蝋燭」と「洋蝋燭」に分けられますが、それぞれに特色があります。私個人としては仏事では「和蝋燭」を好みます。理由は色々とありますが、一番は火の高さと揺らぎです。
「和蝋燭」はハゼの実から摂取したロウから作られるもので、芯にはイグサや和紙が使われます。大きくゆらゆらと揺らぐ炎はなんともいえない情緒があります。

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(和蝋燭金色・・・金蝋燭は慶讃法要・仏前結婚式などに用います)

しかし、和蝋燭はある程度燃焼するたびに、芯を切らなければならないという”メンテナンス”の面や、それに伴う”扱い”への注意、また”高価である”等の理由から、私のお寺では日常のお勤めは主として「洋蝋燭」を使っています。

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(洋蝋燭白色、和蝋燭と比べ炎の高さが小さく揺らぎが少ないです。)

蝋燭はすべて燃え尽きるまで使うことが好ましいのでしょうが、お寺ではどうしても使いきることができないものが出てきます。それを”残蝋”と呼んでいますが、残蝋が次第に溜まってくるので定期的に対応しなければなりません。
そこで、普段使う機会の多い「洋蝋燭」の「残蝋」を使って、蝋燭(キャンドル)を製作するようになりました。

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本願寺の第8代宗主蓮如上人というお方は、ある日廊下に落ちていた紙切れを拾い両の手で押しいただかれたそうです。そして「仏法領の物をあだにするかや」(仏様からいただいた物をムダにするのか)と何一つ粗末にしてはならないとお示しくださいましたが、蝋燭を作ろうと思ったきっかけは残蝋を捨ててしまうのが”もったいない”と感じたところからでした。

仏前で使うほとんどの洋蝋燭の原料は”パラフィンワックス”と呼ばれるもので石油系のワックスです。
パラフィンワックスは数多くある種類のワックスの基本として使うことができます。

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残蝋燭を溶かしてキャンドル専用の顔料で色をつけます。クレヨンでも着色できますが、クレヨン(特に安価なもの)などは粒子が荒いので芯が目詰まりし炎が途中で消えてしまったり、ススがでることがあるので専用のものが安心です。

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着色したロウをセルクルに流して固まったものをカットしてブロック状にしたり、

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「モールド」と呼ばれる”型”を使ったりすると、

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こんな感じになったりします。

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花にしてみたり、

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暇なときにぼちぼち作って楽しんでいます。

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(子供会などワークショップ用に雪だるま試作)

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(金香炉の型を取って作った「獅子香蝋」なんてどうでしょう?笑)

蝋燭の炎の揺らぎは、1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)と呼ばれ、星のまたたきや、波、人の心拍数、小川のせせらぎ、そよ風など、自然現象に見られるリズムで、心に快感と癒しをもたらしてくれるリズムだともいわれます。
仏前に座り、 揺らぐ蝋燭を見つめながらのお勤めは、確かに何とも心地よい気持ちになります。

最近では蝋燭を使った法要や素敵な催しをされているところもちょくちょく見受けられます。

image1 (8)「第60回中・四国地区仏教婦人会大会」の企画で、残蝋を集めて作った展示。

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同教区、光徳寺様降誕会。

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同教区、浄泉寺様報恩講「灯びの集い」。

お寺のサマースクールでの工作、光の演出イベント、チャリティ等々、残蝋を使って、自分なりにできることを模索しながら形にしていきたいです。
そして、日々粗末なことばかりをしてしまっている私ですが、何事も”仏様からの授かり物である”という視点は大切にしていきたいと思います。

最後に、先日汚れた銅の燭台のお手入れについて先輩に相談すると「ベビーオイルで磨け」と教えていただきました。
恐る恐る磨いてみるとピッカピカになりました。機会があれば自己責任にてお試しください。

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(右がベビーオイルで磨いたものです)

筆者 田坂英尊

「吾以外皆吾師也」~コーヒー豆の教え~

同じ商品を買うなら少しでも安いお店で買い、同じ値段なら少しでも程度の良い物を選ぶ。それがお得な選択である。

これは誰しも自然に思うことではないでしょうか。

しかし本当にそれで良いのだろうか。物の価値は市場での相場だけで決まるものなのだろうか。これもまた皆が感じることだろうと思います。

そこで今回は私があらためて価値について考えるきっかけとなった出来事を紹介させていただきます。

皆さんそれぞれの好物があると思いますが、私の好物はコーヒーです。朝目覚めると先ずコーヒー豆を挽いて1日を始めます。その最初の1杯は真夏でもホットで飲みます。コーヒーの芳醇な薫りを存分に味わうためにはホットが相応しいのです。

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(クレマたっぷりのコーヒーは見るからに美味しそう。)

 

また、コーヒー豆を購入する時には、店舗や種類を限定せず色々な豆を試し、自分の好みに合う味を探します。やはり好きだとそのための労力は惜しみません。それも楽しみなのです。

ただし、同じ豆を繰り返し購入する場合のルールはありました。それは普段使い出来る価格であること。毎日飲むものですからこのルールは大切していました。 コーヒー豆袋

 

そういった中で、コーヒー豆を選んでいるとよく目にする商品がありました。レインフォレスト・アライアンス認証と記されたコーヒー豆です。

「レインフォレスト・アライアンス」

このよく見るが意味の分からない言葉を調べてみると、「レインフォレスト・アライアンスは、地球環境保全のために熱帯雨林を維持することを目的に設立された国際的な非営利団体で、主に熱帯雨林や野生動物をはじめ、水資源の保護、当地域で働く従業員の労働環境向上を目指し活動している。」とありました。

そして、生産者の生活向上とともに熱帯雨林の持続可能な管理を目指して、森林や河川の保護、農薬の制限や廃棄物の管理、農民やコーヒー農園で働く労働者の生活向上、子どもたちの教育や医療の保障などの厳しい基準を満たした農園にのみ、その認証を与えていることを知ったのです。

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(レインフォレスト・アライアンス認証マーク。)※レインフォレスト・アライアンスは持続可能なコーヒー栽培に取り組んでいる団体の一つです。他にも多くの団体があります。

 

私は毎日のようにコーヒーを飲んでいますが、こだわっていたのは味と値段で、その原料であるコーヒー豆がどのように栽培され、どのような経緯で私のもとへ運ばれてきていたのかについては考えようとしていませんでした。

調べていく中で、コーヒー豆の生産には森林伐採に起因した自然破壊や低賃金での過酷な労働など多くの問題があることを知り、どうせ毎日飲むのなら、少しでも問題解決に繋がるコーヒーを飲みたいという思いに至りました。

コーヒーチェリー

(コーヒーの実はさくらんぼのように赤いので、コーヒーチェリーと呼ばれています。)

 

そしてこのことをきっかけに、コーヒー豆を購入する際には背景を注視するようになり、それはコーヒー豆だけに留まらず様々な物事の見方に広がりました。

無論、経済面を抜きに購入を考えることは出来ませんし、入ってくる情報をそのまま鵜呑みにすることも出来ません。しかし、見方を変えてみることは物事との向き合い方を多様化し、選択の上での大きな働きとなります。

私たちの日々を支えてくれている全てに、目には映らない様々な背景がありますが、そこに心を傾けることが出来れば本当に大切なことにも気づくことが出来る。

と、コーヒー豆に教えられたような気がします。

生豆

(コーヒーの生豆。)

 

焙煎機2(コーヒー好きが高じて自家焙煎を始めました。焙煎直後の豆で作ったコーヒーは透き通ったような味がします。焙煎から1~2日おくと飲み頃になるらしいのですが、私にはその味の違いがよく分かりません…。)

焙煎済コーヒー豆

 

筆者 大淵英範

 

第60回中・四国地区仏教婦人会大会

 


今年で60回目となる「中・四国地区仏教婦人会大会」が、8月24日に岡山で開催されました。備龍会もスタッフとしてお手伝いさせていただきましたのでレポートいたします。

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この大会は、四州、安芸、山陰、山口、備後と、各教区の持ち回りで開かれています。このたびは備後教区が担当で「コンベックス岡山」を会場に、参加者2797名で開催されました。
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大型バスだけで数十台、駐車場整理も一筋縄にはいきません。しかし、スタッフの的確かつ素早い誘導でバスが見事に駐車場に納まっていきます。


受付を通り、2重暗幕が施された入り口をくぐると、たくさんのカラフルな蝋燭のやさしい光と辛夷(こぶし)の花が描かれた看板が迎えてくれました。
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仏教婦人会の式章には〝辛夷の花〟の文様が彩られています。その由来について説明書きが添えられていました。

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説明によると、親鸞聖人の伴侶となられた恵信尼様のゆかりの花として、辛夷の文様が使われているんだそうです。勉強になります!
参加者も説明書きを頷きながら読まれていました。


場内には大型スクリーンが3台設置されており、大会のロゴがアニメーションで流れていました。

大会のロゴは、「消しゴムはんこ×仏教ユニット」として活動されている「諸行無常ズ」さんがデザインされたものです。
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可愛らしい素敵なデザインですね。記念品も好評のようでした。


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大谷光淳ご門主様ご臨席のもと、開会式が始まります。仏華の大きさに圧倒されます。

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はじめに仏教婦人会の歴史を振り返る回顧映像が流れ、引き続いて仏前に〝おひかり〟をお供えする「献灯」が行われました。
先に紹介した、入り口に施された蝋燭と、こちらの献灯で用いられた蝋燭は、備後教区内のお寺やご家庭のお仏壇で使われた蝋燭の残蝋を集めて、備龍会会員が、ひとつひとつ手作りしました。
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献灯の蝋燭は、バレーボールほどの大きさで、水風船を使って作りました。重さなど持たれる方のことを考えて中を空洞に〝ランタン〟のような作りにしました。

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備後教区内の坊守さんで結成されているコーラス隊の美しい声に導かれ、音楽法要がお勤めされました。


開会式の後、天岸浄圓先生の記念講演に移ります。
講題は「自信教人信のこころ」。

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ユーモアに溢れたお話で、楽しく、そして有り難く、1時間の講演はあっという間に過ぎました。しかし、あらためて「お念仏する者として生きていますか?」と私自身に問いかけられているように感じ、思わず背筋が伸びるようでした。


昼休憩には会場と隣の物品会場とを中継放送でつなぎ、備龍会会員が物品を紹介しました。テレビを見ているような楽しい演出で、昼食中の会場の皆さんからも笑いが起こっていました。
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備後地方の名産品を中心に24店舗が出店されました。

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大盛況です。
備龍会も参加者の購買意欲に一役買ったかも?(笑)


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午後の部は、宗門校の岡山龍谷高等学校太鼓部による軽快な太鼓から始まりました。若さみなぎる力強い演奏に胸が弾みます。

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引き続いて、岡山龍谷高等学校専務理事でパラオ共和国大統領より「教育文化プロモーター」として認定されている中村好孝先生のお話し。映像を用いながらの「笑いアリ涙アリ」のお話しで、先生の巧みなトークに自然と引き込まれます。


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最後に、プロの声楽家の皆さんによる仏教讃歌は圧巻でした。美しいハーモニーに聞き惚れます。何とももったいない優雅なひと時です。
終わりに参加者全員で「念仏」という仏教讃歌を歌い終わると、
「会場の上をご覧ください」
というMCがあり天井を見上げると、天井から紙飛行機が旋回しながら舞い降りてきました。

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写真では少し見えにくいですが、紙飛行機が3000機、約3分の間ゆったりと飛行しました。突然のサプライズ飛行演出と照明効果も重なって、会場は驚きの歓声と拍手で包まれました。

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私も一つゲットできました。福山市は紙飛行機でも有名な町であり、日本で唯一「紙ヒコーキ博物館」があります。

「お念仏の声が、私からあなたへ。そして世界へ広がり、つながっていきますように。」

そんな願いが込められた紙飛行機のプレゼントを受け取りました。


「元気をもらいました」とスタッフに声をかけられる参加者の姿も拝見しましたが、終始、参加者を飽きさせない細かいところへの気配りが届いた素晴らしい大会でした。

実行委員・スタッフみなさん、本当にご苦労さまでした。

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平成28年熊本地震ボランティア活動レポート

7月に入った日の夕方でした。梅雨空の中、いよいよ猛暑が始まるとの情報を県内のプール開きを伝えるニュースで聞きながら、被災地で過ごされる方々のことをふと思い返していました。

その思いに至ったのは4月の地震で大きな被害を受けた熊本を訪れた経験からでした。この暑さの中をどのように過ごされているだろうか… 復興は進んでいるのだろうか… わずかな滞在ではありましたが、被災地「熊本」で見て聞いて感じたことを記させていただきたいと思います。

震災から2カ月近くが過ぎた6月6日に熊本へ向かい、備龍会として2泊3日のボランティア活動をさせていただきました。会員個々においては震災間もない時期に現地に向かった者もいましたが、本震後に途切れることなく続く余震の終息がみえない中、会として被災地に向かう判断がつかず、徐々に震災を伝えるニュースも少なくなった5月下旬に「まだ現地でお手伝い出来る事が何かあるのでは。」と被災地入りを計画したことでした。

現地に向かい最初に見た震災の痕跡は、車窓から見える家々の屋根の上に掛けられたブルーシート。様々な被災地で目にした風景に、現地に足を踏み入れる緊張感を持ちました。

先ず訪ねたのは今回の活動先をご紹介くださった本願寺熊本別院でした。会として募った義捐金をお渡しし、別院のご輪番から被災地の現況を聞かせていただきました。余震の影響で私たちの思っている以上に復興は進んでいないこと、また深刻な被災は局地的であることを知りました。DSC_0520

(熊本別院でご輪番から被災地の現況を説明いただきました。)

※輪番・・・別院を統括する役職。その役職者。

 

翌日、ボランティア活動をさせていただいたのは南阿蘇村の浄林寺さまでした。南阿蘇村はこの度の地震で大きな被害を受けた地域の一つで、15名の方が亡くなられ1名の方は未だに行方不明です。現地までの道中では大規模な地滑りや地割れが散見され、道路は各所で分断され通行止めとなっており、到着に相当の時間を要しました。

浄林寺さまでの作業は集められた瓦礫の撤去でした。殆どが剥がれ落ちた瓦で、瓦礫の量はトラック5杯分にも及びました。しかし備龍会会員10名の他にも別院からの呼びかけで集まられた方々が10名ほどおられ、作業は昼食を挟んで3時間あまりで終了。このような状況下では、人の力、特にたくさんの人が同じ思いを持って動く事が本当に大きな力になると感じました。

この日の作業を手伝いに来られた方の中に自宅が全壊された方がおられ、話を伺うと自宅での作業は一先ず終わったので手伝いに来られたとのこと。自らが被災したことで被災された方の大変さが分かるから助けになりたかったとお話しくださいました。image7

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(大量の瓦礫も徐々に撤去され、きれいになりました。)

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(昼食は各自で用意して行きましたが、浄林寺さまのご厚意でおにぎりや団子汁などをご馳走になりました。大変美味しくいただきました。)

 

作業が終わると、浄林寺ご住職のご厚意により南阿蘇村の被災箇所を案内していただきました。ご住職は自身も被災者でありながら消防団員として被災地で活動しておられ、その体験を踏まえて震災直後の状況をお話しくださいました。倒壊した建築物、大規模な地滑りの痕、崩落した阿蘇大橋、案内していただいた各所で突然に起こる自然災害の恐ろしさとその現象に対する人間の無力さを痛感しました。DSC_0543

(大規模な地滑りの痕)

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(同じ南阿蘇の正教寺さま。山門と鐘楼は完全に倒壊しており、本堂にも大きな被害を受けておられました。)

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(地震の揺れにより倒壊した家屋)

image4(崩落した駐車場の路面とガードレール。阿蘇大橋や東海大学阿蘇キャンパス近辺には深刻な被害が出ておりました。)

 

最終日は、益城町と熊本市内の寺院を訪ね、備後教区少年連盟が取り組んでいる「おさがり袋」をお供えさせていただきました。この取り組みは、お菓子を詰めた袋をお寺のご本尊(阿弥陀さま)にお供えし、その後、お参りに来られている方々におさがりとしてお配りする活動です。袋にはご法話を記し、仏さまにお供えしたお菓子をいただきながら教えにも出遇っていただくことを目的にしています。今回は、この取り組みが余震の続く被災地で不安の中を過ごされる子供さん方の1回の笑顔に変わればという願いを込めて行いました。お寺を回ると皆さん被災の中を一歩一歩前進しようという思いを持っておられました。当初は大きなショックを受けられ、その落胆は相当なものだったであろうと想像します。しかし、そのことを感じさせない朗らかな笑顔や言葉で接してくださいました。DSC_0913

(おさがり袋。中にはお菓子が詰まってます。)

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(おさがり袋をお供えさせていただいた熊本市の浄福寺さま。前震で傾いた本堂は本震で全壊しており、本震前に本堂から運び出されたご本尊や仏具は難を逃れられたとのこと。)

 

今回の熊本来訪で一番強く感じたことは、復興は未だ途上であり、私たちに出来る支援はまだたくさんにあるということです。新聞やテレビなどのマスメディアやSNSで情報を収集する方法は数多ありますが、現地でしか知りえない感じられない情報もありました。

被災地の方々がそれぞれに復興に向いて動き出されるには、その思いを支える力が必要です。それが支援可能な状況にある私たちの役割でもあると思いますし、そのためには被災地を忘れないことや、被災された方々が被災の中で我々同様の日々を生き抜いておられるという現実に思いを寄せることが重要であると気づかせていただきました。

熊本地震から早3ヶ月が過ぎようとしていますが、今でも被災地では様々な苦難の中、復興に向けて1日1日を過ごしておられる方々がいらっしゃいます。その復興の一助となれますよう、これからも会としてどのような支援が出来るかを考え、実行し続けていきたいと感じる貴重な3日間でした。

「手業 -職人に支えられた仏具の世界ー」(後編)

2月4日に行われた浄青僧本山総参拝のレポート後編です!
前編

京都の仏具職人さん方に仏具の制作についてお話を伺っていきました。

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1人ずつのインタビュー、5人目は彩色師(さいしきし)の八木則行さんです。(写真上段 左から2番目)

彩色師とは、仏像や仏具(須弥壇、前卓)など彫刻されたものに彩色を施される職人さんです。襖絵や天井絵なども描かれています。

―彩色は特別な絵の具を使われるのでしょうか?

「古代より伝わる顔料(岩絵の具)を使用しています。経年劣化による退色がほとんどありません。
大変なのは石を砕いて色を作るので、全く同じ色は二度と作れないことです。最初に作った絵の具だけで書かないと色が変わってしまいますから。
岩絵の具は大変高価なものです。これだけあれば足りるだろうと、少し余分に作っていないといけません。少々勿体ないですが、足りなくなったら大変ですから(笑)」

色の継ぎ足しはNGなんですね。「二度と同じ色は出せない」色もすべて一期一会なのだとお聞かせいただきました。

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(色鮮やかな岩絵の具)

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(彩色を施す八木さん)

―もともと子どもの頃から絵が好きだったりされたのですか?

「絵や美術品を見るのは好きでしたね。特に絵画はよく見ていました!
しかし日本画はあまり見ていなくて、西洋画ばかりみていましたので、それを知っている人からは、『天人さんには天使のように羽根を描くなよ!』と言われてました(笑)」
(※天使は背中から羽根が生えていますが、仏教に説かれる天人は羽根はなく、羽衣で空を舞うのです。)

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(八木さんが彩色された聖徳太子像)

こちらの聖徳太子様の着物の模様は盛り上がっているように見えますが、これは砥の粉を膠(にかわ)で溶いたものを使われているようです。大変細かくも立体感があって素晴らしいですね!

上の模様一つを見ても分かるように彩色師のお仕事は本当に繊細な作業です。想像を絶する集中力が必要となるでしょう。
またお話を伺ってみて、八木さんが施された彩色や絵それぞれに八木さんの優しいお人柄が表れているように感じました。

 


 

続いて6人目は蝋型鋳物師(ろうがたいものし)の山崎誠一さんです。

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(インタビューに答える山崎さん)

―蝋型鋳物とはどのようなものなのですか?

「蝋型鋳物とは、最初に蝋で型を作って、土で覆いかぶせて包み乾燥させたのち、炭と松割り木で焼き、蝋を流し出します。その隙間に溶かした金属を流し込んで作っていきます。

そして鋳物ができると、ヤスリや研石で仕上げます。
鋳物師は他にもたくさんいますが、蝋型でしている人は少なくなっています。」

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(型に金属を流し込まれているところです)

―山崎さんは蝋型鋳物を多くの人に広めたいという思いを持たれているとお聞きしましたが、鋳物を蝋型でする利点を教えてください。

「蝋型は古い技法なので、この先も残していきたいと思っています。やめていかれる人も多いので。
良さと言えば、蝋のそのままの味が出ることです。蝋のやわらかさがそのまま金属に現れてきます。蝋に指紋が付いたら、金属にそのまま指紋が出るほどです。」

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(蝋型鋳物 山崎さんの作品です)

―蝋型鋳物を製作中一番楽しいのはどこでしょうか?

「やはり蝋を練っている時が一番テンションが上がりますね。飴細工のように柔らかく、本当に手触りが良いんです!」

―蝋型鋳物のここを見てもらいたい!という所は?

「金属は冷たいイメージがありますが、金属そのものが持っている色や、金属それぞれの結晶を、そのまま出せるのが蝋型の特徴です。ですから、ぜひ近くでじっくりと見ていただけたらと思っています。」

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(仕上げをされる山崎さん)

鋳物の中でも「蝋型」という種類があることを今回初めて知りました。
金属そのものにも「目」があり、「結晶」がある。金属なのに生まれる「あたたかみ」があるのですね。初めて聞くことばかりではありましたが、蝋型の鋳物の魅力が伝わってきました。これからお仏具を見る時注目していきたいです。

物静かで穏やかな山崎さん、職人の皆さんからは折々につっこみを入れられる愛される方でありました。
同時に、職人の数が少なくなった蝋型技法を多くの方に、そして後の時代に「伝えていくぞ」という熱い思いを秘めておられるようでした。


いよいよ8番目、インタビューのとりを飾るのは、錺師(かざりし)の合場賴正さんです。
これまでも他の職人さんのインタビューの時に、つっこみを入れて笑いをとっておられました!

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―錺師とはどのような作業をされるのでしょうか?

「もともと錺師とは二つの分野に分かれていました。彫金師(ちょうきんし)という金属の形を整える作業をする役。もう一つは仏具などに錺(かざり)をつける作業をする役。今はこの両方をしています。」

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(この写真の柱などには合場さんが施された錺が付けられてあります。)

―そもそも錺とはどのようなものなのですか?

「お仏具などの金属に型を押して錺をつけていきます。たとえば魚々子という点を打つような錺は大変細かいものです。
どれくらい細かいかというと、1mmに2個点を入れろと言われるくらいです」

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くらくらするほどの細かさです!!

―錺(かざり)のトレンドというものはありますか?

「実は錺そのものは昔から全く変わりません。しかし、時代の移り変わりによって、錺を打つお仏具など本体の形が変わってきています。

また最近は、どの宗派のお寺にしても錺というものは商業ベースの簡略化されたものではなく、『御本山と同じ物を求めたい』というお声をよく聞きますね。時代は原点回帰ということでしょうか。」

 

合場 顔

(錺を打ち付けられていく合場さん)

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(合場さん製作 柄香炉)

―8名の新進気鋭の仏具職人の中で、合場さんがリーダーのように伺いました。どのようにこのメンバーをまとめられているのでしょうか?

「普段から切磋琢磨しています。まとめるということではないですが、言ってみれば飲んで仲良くなる(笑)
皆良いやつばっかりです。いつも話していると凄く楽しい、だから良いものができてくるんです」

今回の研修会を行う前に、一度打ち合わせをさせていただいたことがありました。なんと打ち合わせ場所の机にはたくさんビールが並んでいてびっくりしました(笑)

皆さんお酒も豪快に飲まれます。お酒の場の楽しいエピソードも多々聞かせて頂きました。
また打ち合わせの時や、当日リハーサルの時も終始笑いが溢れ、まさに「チーム」であると思いました。

職人さんはお仕事をされるとき個人個人の孤独な大変な作業でしょう。しかし、だからこそ職人さん同士にしか分からないご苦労を共有したり、情報を交換したりするお酒の場は、本当に大切な時間なのかもしれません。

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(インタビューは、備龍会の枝廣と佐藤が、○上がり決死隊のごとく怒涛の質問を行っていきました!)


次は、会場の参加者(青年僧侶)からの質問にお答えいただきます。どの質問もお答えも深く、味わい深いものでした。

―私たちがお寺に生まれてお寺の後を継ぐことが多いように、職人さんの家業を継がれた方が多いと思います。お父さんやお祖父さんを見て、どこから楽しさや遣り甲斐が分かったか、エピソードをお聞かせください。

須藤さん「仏師として遣り甲斐を感じるようになったのは、仏さまを彫ってお寺に入れさせてもらったら涙流されて喜ばれたことにあります。それを見たらもっと頑張らないといけないと自然と思います。その繰り返しで今があります。」

中井さん「今ちょうど、自分の子どもに自分の職を継がすかどうか考えているところです。私は自分でこの職(木彫師)に飛び込んだので。その人自身の特性がその職に向いていないと、できないような時代になってきたと思います。」

牧野さん「うちは自宅で、仕事と生活が一緒でした。父が扱う漆の匂いは正直言って臭い。子どもの頃は絶対父の仕事は継がないと思っていました。でも就く仕事就く仕事続かないんです。
なぜかというと、頭のどっかに『これがダメでもおやじの仕事につけば良い』という甘い考えがあったんです。塗師という職についてその考えはひっくり返りましたが。
最近息子が『お父さんの後を継げばいいんだろ』と言いだして(笑)」

―昔の作品を通して、何か感動したり、作られた方のメッセージを感じたりすることはありますか?

山崎さん「蝋型鋳物師をしていたおじいさんの作品を見ると、めちゃめちゃ綺麗ということではないが、何とも言えない味があります。今のものは綺麗でも、味はおじいさんの方があると感動しました」

八木さん「お寺の格天井は、本願寺の白書院もそうですが、萎れやすい花には水を含ませた紙で茎を巻くよう描かれたり、花以外に昆虫が描いてあったり、遊び心やいのちを大切にする心が描かれていることがありますね。」

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(八木さんが彩色された天井絵)

―西洋などの文化と比べて、日本の仏具や美術品独自の味、特徴は何でしょうか?

中井さん「日本は島国であり、四季があります。他の先進国にはない物が日本の仏教や伝統の中にあるのではないかと思います。
たとえば、日本自然豊かで自然の中に暮らしています。そして日本人は大変『木』を大切にしています。これほど木が育つ国もなかなかないでしょう。」

「自然」の中で生きていることを自覚している作品が多いのかな、「木材」を使った仏具にもその精神が根付いているのだな、とお話を伺って考えました。

「また、日本人の『まじめさ』から出てくる逆転の発想の面白さもあるのではないかと思っています。」ともおっしゃいました。

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(このお仏具は蝋型鋳物で、山崎さんが製作されたものです。
真面目さとユーモア。確かによくみるととても可愛い、おもしろい)

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(休憩時間も、直接仏具を見ながら職人さんからお話を伺いました!熱帯魚からデザインのインスピレーションを受けるという中井さんに「私も熱帯魚好きなんですよ!」と話が弾む場面も。)


ワークッショップ『箔押し体験』

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続いてはいよいよお待ちかねのワークショップの時間です。
箔押師の清水さんのご指導により、香盒(お香入れ)に金箔を押していく体験をしていきました。

手順としては、御香入れの蓋に漆を塗り、塗った場所に金箔が貼られていくということです。

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皆さん、和気あいあいと、しかし真剣な表情で作業をしてくださいました。漆を塗って金箔を押していきます。

しかし簡単な作業のように見えますが、あなどることなかれ、とっても繊細で難しい作業なのです!大変細かな作業で手先の器用さや、センスが問われるのです。
ちょっとした風、たとえば鼻息で金箔は、ずれてしまいますし、漆を隈なく塗らないと金箔がうまく押せないのです。)

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皆さん集中して、オリジナルの御香入れを作っておられました!

浄青僧総1

さすが、会長!バッチリ仕上がりました!

充実したワークショップになりました。


『手業ー職人に支えられた仏具の世界ー』研修会を終えて

前後編に渡ってレポートしてきました仏具職人さんへのインタビュー、いかがだったでしょうか?

実際にお話を聞かせていただき、私自身日ごろ僧侶としてお仏具に接していたのですが、見方が変わったように思います。
月並みな表現ですが、妥協されることない匠の技に「これほどまでにご苦労があったのだな」と本当に頭が下がりました。

しかも皆さん最高峰の技術を持ちながら、現状に決して満足されておられず、まだまだこれから自らの技術を高めていこうとされています。
今まで受け継がれて来た伝統を守りつつ、今の時代に応じた作品を作り続けていくことは、本当に大変なことと思います。
次の世代に伝えていかねばという「責任感」と「熱い意思」を、御言葉の端々から感じずにはおられませんでした。

同じことが私たち僧侶にも言えるのでしょう。
この研修を受けて学んだことは、お仏具についてだけではなく、職人さんのその姿勢だったようにも思います。
私たちも、若手僧侶ならではの熱意とチャレンジ精神を持って、いつの時代も決して変わらない仏さまのみ教えを、様々な手段を持ってお伝えしていく努力をしていかねばと思いました。

私たち備龍会は今回本山総参拝の研修会を行うにあたり、進行についても試行錯誤して、昨今流行りのバラエティー番組に習ってひな壇形式にしました。
職人の皆さまはその意をくみ取ってくださり、立派なひな壇まで手作りで用意してくださいました。また研修の中では、「笑い」「ユーモア」をふんだんに踏まえてお答えくださいました。
無茶ぶりにも近いような質問をしたりもしましたが、どのインタビューにも真摯に、私たちに分かりやすいようにお答えいただきました。
参加者の皆様も、頷きながら聞いてくださって、あっという間の時間だったように思います。

長い記事となりましたが、皆さまもこれからお寺の仏具をご覧になるときに、匠の技とそこに籠められた思いを感じていただけたら、より身近に、より深くお寺やお仏具が味わえるかもしれません。

庄原市高野町で降り注ぐ〝県天然記念物〟

備後地方の最北端に位置する庄原市高野町へ行ってまいりました。

尾道と松江を結ぶ自動車道、通称「やまなみ街道」が開通してからというもの、高野町は大変な賑わいを見せています。

例えば、「道の駅たかの」だけで、「やまなみ街道」開通前と比べると、庄原市高野町全域の観光消費額(平成21年)の3倍に相当する売り上げがあるというのですから、地域活性化が進む町として注目が集まっています。

そこでまずは「道の駅たかの」に寄ってみることにしました。

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高野ICを降りるとすぐ「道の駅たかの」があります。

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確かに・・・

平日だというのにすごい賑わいだ!!

 

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頭に矢印が刺さっているのが今回取材班のメンバーS氏とY氏です。
何やら興味深そうに覗きこんでいます。

私の買い物が終わって戻ってみると、より興味深そうに、まだいる。

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5分後に戻ってみると、まだいる。
なにやら悩んでいるようだ。

気のせいか、いつの間にか周りも彼らを避けるように人がいなくなっています。

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その後も彼らは何かを見ていましたが、なんとなく事情は聞かずに、そっとしておくことにしました。

お手洗いに行って、戻ってみると、今度はS氏がなにやら嬉しそうにパネルを抱き抱えています。

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そういえば高野へ向かう車中でS氏が言っていた。

「〝君のいる町〟というアニメの作者〝瀬尾公治〟さんが高野町出身で、アニメの中で高野町が舞台に取り上げられているんだ。その作者は僕の友人の後輩ということもあり、連載当時は夢中になったなぁ」

この作者は現在でも「週間少年マガジン」で「風夏」というマンガの連載を持たれているスゴい人みたいだ。ちなみにS氏は「ボクはもう少年じゃない」という理由で「風夏」は読んでないらしい。

道の駅たかのHP http://www.takanoyama.jp/


その後もS氏の「君のいる町」への熱の入った話しぶりに、若干引き気味になりながらも、「道の駅」の活気を十分にあじわった我々は、本日の目的地である「圓正寺」様へと車を走らせます。

今回、同行しているY氏は

「ちょっと高野にいこうぜ」

としか知らされず強引に連れて来られたこともあり、「圓正寺」様に到着したとき、彼は驚きの声を発せずにはいられなかったらしい。

 

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「なんじゃこりゃーーー!」

 

まさかの松田優作でしたが、この度私たちが取材に来たのは、県下有数の巨樹で天然記念物の「しだれ桜」です。

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境内には寛文7(1667)年頃に植樹されたという「しだれ桜」が3本あり、そのうちの2本が、昭和34年に広島県天然記念物に指定されたそうです。

他にも春にはエドヒガン、県内最大とされるコブシなどが満開です。

圧巻の大きさで、カメラにその全貌が写せなかったのと、S氏が「カメラの撮影は俺に任せとけ!」と自信満々だったのにカメラを忘れてきたこともあり、勝手に動画をPV風に作成してみました。この壮大さの一片でも伝わるとよいのですが。

「桜を見に来られた方にゆっくりと落ち着いた時間を過ごしてほしい」
との思いから、境内でJA女性会の皆様がご好意でお店を開かれています。
抹茶の接待を受けながら、圓正寺ご住職様にお話を伺いました。

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手作りのぼた餅が本当に美味しいです!!
しだれ桜を見ながらのホッとする優雅な時間、とても贅沢です。

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-見ごろはいつですか?

「4月中ごろから下旬ですね。
他の地域に比べると開花が遅いのですが、今年は早くて中旬には満開を迎え、下旬までには散りそうですね。
例年facebookページで開花状況を更新していますので参考にしてください。」
https://www.facebook.com/enshouji/photos_stream

 

-手入れは大変ですか?

「まず桜の周りの土は踏み固めてはいけないということがあります。そこで開花のシーズンは桜の周りにロープを張って入れないようにしてます。毎年ミナラル樹脂を敷いたり調整をします。
あと消毒などは大型クレーンを使ったり、開花しなかった枝などは剪定したりします。」

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-しだれ桜について思いを聞かせてください。

「長い歴史の中で災害に遭うこともなく奇跡的に生き残っているのは、多くの人々の努力と熱意によって守られてきた結果です。
次代へ、この貴重な文化財を残すために精一杯の努力をしていきたいと思います。」
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-今後の何か方針などありますか?

「〝お寺〟は、仏様の教えがそこを通してはたらく場所ということですから、まずお寺においでいただくということが大切です。そういう意味でも遠近各地より、たくさんの方が訪れてくださることは喜ばしいことです。
しかし、そこで来られた方に仏教の教えそのものが持つ魅力を伝えるとなるとなかなか難しくて思案しています。せっかくお寺の山門をくぐってくださったのだから少しでも仏法に触れてもらうことができればよいのですが・・・。今後の課題です。」


ご住職様の真面目な人柄から、日ごろより生活の中で仏法と真摯に向き合っておられる姿がにじみ出ているようでした。
開花の時期は本堂を解放していらっしゃるそうです。せっかくお寺に入られたのですから、ご本尊の前で静かに手を合わせる時間ぐらいはもちたいものですね。

夜桜の写真をいただきました。
ライトアップされた夜桜もなんとも美しいですね。

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今年の花見には間に合わないかもしれませんが、来年はぜひみなさん訪れてみてください♪

 

 

「手業(てわざ)ー職人に支えられた仏具の世界ー」(前編)

2016年2月4日(木)浄土真宗青年僧侶連絡協議会(以下、浄青僧と略します)の二年に一度の本山総参拝が、備龍会担当で行われました。

浄青僧とは、全国各地で活動する青年僧侶の会が、それぞれの活動を報告しあい、親睦を深める場です。

今回は当日の様子をレポートします。


 

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浄青僧に加盟する北海道・東京・高岡・山陰・備後・安芸・福岡の7団体の青年僧侶、約100名が集まり、御影堂で参拝式を行いました。


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備龍会会長の大淵英範がご挨拶いたしました。
「ご門主さまと同世代の僧侶として、ともにご法義伝播に勤めさせていただけますよう、これからも研鑽していきましょう!」

 


今回の研修テーマは「手業(てわざ)ー職人に支えられた仏具の世界ー」

京都の伝統工芸士(木地師・仏像彫刻師・木彫師・塗師・箔押師・彩色師・蝋型鋳物師・錺師)の職人方に青年僧侶がインタビューしていきました。終始笑いと拍手が沸き起こる、活気あふれる研修会となりました。

某トークバラエティ番組風のオープニングムービーに続いて、登場していただきました!

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今日は何のくくりですか?

「僕たちは京都の仏具職人です!」

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職人さん方が座られた立派なひな壇も、この日の為だけに作ってくださいました。 本当に多くの貴重なお話を伺いましたが、今回はその中の一部を紹介します。

トップバッターは、木地師(きじし)の泉嘉人さん。木地師とは仏さまの卓やお厨子などの木地を製作される職人さんです。西本願寺の前卓の修復にも関わられています。
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泉 顔(作業中の泉さん)

 

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実際に、御本山と同じ様式で作られている前卓を持ってきてくださいました。この足の部分に注目です!

仏具作製のご苦労をお伺いすると、具体的にこの太い足の丸味を彫るのにも大変な時間と手間がかかるそうです。

お仏壇やお仏具を製作するにあたって、大変なことは何ですか?

「製作期限を守ることです。お寺の御内陣は、職人がリレーで作り上げていくもので、一人一人が責任をもって次の方に渡していくチームプレーです。自分が遅れたら、次の塗師(ぬし)や箔押師(はくおしし)に影響が出てしまいます。ですから責任があります。でも、お仏具は代々お寺に残っていくものです。だからこそ、仕事は決してごまかすことができません。」

それでは、心がけていることがあれば教えてください。

「世の中はスピーディでかつ安いものを求められています。そんな今だからこそ、大切にしていることは『妥協しないこと』です。手間を惜しまない。簡単にすることに流されない。なぜならお寺さんの宝になるもので、皆さんが手を合わしていくものですから。」

これからの目標を教えて下さい。

「我々職人は最低10年続けてやっとスタートできます。私たちもまだまだです。しかし、次の時代にこの技術を繋ぐということが使命と思っています。これをなるべく絶やさないようにしたいです。」

泉さんからお話を伺い、私たち青年僧侶も同じように、精一杯おみのりを伝えていき、次の時代に繋ぐことが大切であると改めて考えさせられました。


 

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(左:須藤さん 右:中井さん)

2番手は、仏像彫刻師(ぶつぞうちょうこくし)の須藤隆さんです。仏像を彫られる職人さんです。
須藤さん

なんと今回の会場である安穏殿のご本尊阿弥陀様は須藤さんが彫られたものなのです!

仏さまを彫られて、手を合わせる礼拝の対象になることについて、どんな風に感じますか?

「仏像をご依頼くださる方の意向を大切にしています。そして特に仏さまの目線を大切にしていいます。」

実は仏像の眼の部分には水晶など宝石が入っているのです。その宝石お顔の表ではなく、裏から入れるのが大変難しいらしく、お顔の薄い表面部分が破られたら終わりという、もの凄く細かい作業です。そこまでのご苦労があったことは初めて知りました。

また、仏像彫刻士さんが彫られる仏様のお顔にはそれぞれに特徴や個性が表れていて、仏像を見るとどの仏像彫刻師の方が彫られたものかは大体分かるそうです。

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(京都マンガミュージアムの火の鳥も、須藤さんが彫られたものです!)

須藤さんには大変穏やかにお話しいただきましたが、本堂のご本尊を作製されるにあたってのきめ細やかで繊細な作業には、私たちのはかり知れないご苦労がこめられていると気づかされました。



続いては、木彫師(もくちょうし)の中井伸明さんです。
木彫師とは、仏さま以外の彫刻を担当されます。彫刻の前には絵も描かれます。中井さんの彫られる文様は、昔から守り伝えられてきた型を描いているそうですが、依頼主さんにオリジナルの文様を求められているとそのように作られるそうです。

中井 顔

―オリジナルの文様を作る時は、何かを見てインスピレーションが湧くのでしょうか?
また日ごろから感性を磨くために、何か見たり、されたりしていますか?

「熱帯魚が好きなので飼っています。水草やサンゴも好きです。昔の彫刻などを見ていると、深海魚からデザインのモチーフを取られたものがあります。生き物からデフォルメしているんです。先人も、花や動物や昆虫などからデザインを作られているような気がします。」

―この時代の彫刻を見てほしい!というものはありますか?

「江戸末から、明治の彫刻は技術的に凄いです。誰もが見て圧倒的に認められるのはその時代です。しかし同時に大切なのは、私たちの、見る目が変わるということです。若い時何気なく見ていた彫刻を、最近見るとわーっ凄いと思うことがあります。私の見る目が少しは良くなっているのでしょう。私たちがこれからやって行かなければならないことは、それに負けないことをしていかないといけないということです。最後に皆さんに一番に言いたいのは、見る目を養うことが大切ということです。」

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(丁寧に彫られています)

中井さんはご自身の職に対するこだわりについて熱く語って下さり、ひしひしと胸にくるものがありました。


 

備大会24
(前列 右:牧野さん)

続いては塗師(ぬし)の牧野俊之さんです。お仕事はその名の通りお仏壇やお仏具に漆(うるし)を塗ることです。

漆は大きく分けて二種類、国産と中国産があり、現在ほとんど中国産だそうですが、値段はとても違うそうです。

漆を塗っていくのには、季節や湿度などが関係してくるのでしょうか?

「簡単に言いますと、洗濯物が今日はよく乾くなという日は漆は乾かないんです。漆は湿度がある時に乾きます。だから梅雨時期は漆が乾きすぎるので逆に塗れないんです。すぐに乾いてしまうので。」

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(漆って不思議ですね!)

また漆は様々な色があります。漆屋さんに塗師が依頼して、朱色、うるみ(べんがらという岩料を混ぜる)など、調合して作ってもらったものを使うのです。

漆は時間が経つとどう変化していくのですか?

「 時間が経つにつれて漆の色はだんだん変化していきます。まただんだんと岩料の色が出てより明るくなってくるというか、岩料の色が透けてきます。」

つきつめれば、1秒たりとも同じ色はないのです。「諸行無常」という仏教に説かれる理を感じさせられました。

牧野 顔

また漆もそうですが、牧野さんいわく、本物の仏具というものは「時代が経って、古くはなるけど、悪くなることはない」とのこと。
それだけの責任を伴う作業をされていることを伺い、私も自然と背筋の伸びる思いがしました。

牧野さんは、テレビに出てくる芸人さんのように本当にお話が上手くてオーラがあり、その魅力に引き込まれました。


清水 顔
前半最後は清水ひろみさんです。清水さんは箔押師で、仏像や仏具に金箔を押していかれます。
金箔は木材でも、金属にでもその上に押せるそうです。

金箔には「断ち切り」と「縁つき」と大きく分けて二種類あるそうです。前者は金箔を重ねて一気に正方形に切り、後者は一枚一枚丁寧に切っていくもので大変高価になるとのこと。

浄土真宗は金仏壇で特に金とはかかわりが深いですが、金の良
さはどういう点がありますか?

「金色というのは、私たちの普段の中にはないです。一般家庭には溶け込みません。ですから、インパクト与えたいところ、特別なところに金箔を押します。それで非日常をあらわすのです」

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(清水さんが金箔を押された空殿)

確かに金色のお仏壇そのものが家の中心で、阿弥陀様がいらっしゃる特別な空間だったのですね。
そしていつの時代も変わらない光、輝きが金色で表してあり、どんな時も私たちを支え続けてくれているのだと味わいました。

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変わったものに金を押した経験はありますか?
「部屋全体です。金箔の部屋に入ることができますよ。」

東京の箔座というお店では、金箔の茶室に実際に入ることができるようです。豊臣秀吉の気分が味わえるかもしれません!!

以前清水さんが師匠の下にいらっしゃった時は、金箔が飛ばないように、夏の暑い時期もクーラーも扇風機も使わずに汗が流れる中で作業されていたようです。
今は工夫があるのでしょう。クーラーつけておられるようです(笑)

清水さんには後半の参加者全員によるワークショップ「箔押し体験」でもう一度ご登場いただきます!
しかしこの時点では、箔押しの大変さを後に思い知ることになろうとは、誰も思っていませんでした...。

 

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後編に続きます)

 

親鸞聖人の法然聖人との出会いに思いをよせて

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備後教堂を会場に仏教教養講座を開講しました。
この度の教養講座は、〝御絵伝の解説〟ということで、大阪より若林眞人先生と宮部誓雅先生にお越しいただきました。

※御絵伝とは親鸞聖人の御生涯を絵で表した掛け軸のことです。

「若林先生のご法話に宮部先生のプロジェクターを使ったご絵伝解説楽しみだなぁ♪」0189

讃仏偈のお勤めで始まりました。

法然聖人と親鸞聖人はどんな出会いだったのだろうと想像しながらの開会式です。


 

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第一部は宮部先生のご絵伝解説です。
普段は小さくて見えないような細かい所も、スクリーンに拡大して色鮮やかに映され、くっきりはっきり見えます。
そして驚くことになんと、動く!!まるでアニメーションのような技術で、ご絵伝で表されている情景が私の目の前でより身近に感じられます。人物の解説や、情景のこまやかな説明に、初めて聞かせていただくお話しが盛りだくさんです。

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このように、右の下から上へ見ていきます。浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の御一生ですから上から下へ見下ろすのではなく、見上げていく(仰ぎ見る)という意味も込められているそうです。

その後、40分ほどのお時間で解説をしていただきましたが、この映像資料を作るのに数年がかりという大変な労力をかけておられるようです。
さらに仲間と研鑚しながら少しずつ改良を加えられて、より分かりやすく伝えられるように日々進化しているというのですから、その完成度の高さにも納得です。
これは四幅まで詳しく聞きたい!!という思いが自然とこみ上げてきます。


第二部は若林先生のご法話です。親鸞聖人のひ孫に当たられる本願寺第3代宗主覚如様がご制作なされた御絵伝は、親鸞聖人の御生涯を通して阿弥陀様のお救いを告げられいくもの、と聞かせていただきました。

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慈鎮和尚のもとで得度をされ、弟子になられたのは対比の構造を作られたのではないかという事でした。慈鎮和尚は比叡山でも天台座主のお方です。当時の比叡山仏教界のトップであります。その天台座主慈鎮和尚の教えを投げ捨てて、法然聖人の弟子となられたというドラマチックな対比になっている訳です。
その場面、親鸞聖人が初めて法然聖人の元を訪れられた時の情景を、まるでそこで見てきたことを再現しておられるのではないかというような、臨場感溢れる表現に、会場が惹きこまれていきます。

※慈鎮和尚(じちんかしょう)・・・慈円とも呼ばれ、天台座主職につくこと4回に及ぶ。親鸞聖人のご生涯を詞書にした『御伝鈔』によれば親鸞聖人得度の師とされる。

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迫力のある話術で、思いもよらなかった初めて触れるお話しに皆さん興味深々です。


 

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最後に会場からの質問にもはっきりと、そして優しく答えていただきました。

遠近各地より御参りくださった皆さま、本当にありがとうございました。
来年も仏教教養講座、開講予定です!お待ちしております。

 

浄土真宗本願寺派 備後教区 青年僧侶の会=備龍会のウェブサイトです。