5月25日(水)に「やさしく学ぶ正信偈 七高僧編」の第4回目の講座を開講致しました。ご講師の龍谷大学教授 玉木興慈先生にはご自坊の本堂からライブ配信をしていただき、その映像を備後教堂、御調東組浄泉寺様、世羅組正満寺様の3会場に設けたスクリーンに映す形で進行致しました。
第4回目の講座では道綽禅師を讃える文「唯明浄土可通入」を中心にご講義を賜りました。
道綽禅師は中国が陳(ちん)であった時代にお生まれになりました。その時代は武帝による苛烈な仏教弾圧が敷かれていた時であります。そして隋(ずい)が陳を滅ぼして中国を統一した時期に、道綽禅師は慧瓉禅師の教団に加わり、師のもとで持戒・座禅し、空の智慧(さとり)を得ようと実践されました。故に道綽禅師は「禅師」と呼ばれています。
慧瓉禅師の没後は教団を離れ、48歳の時、玄中寺(曇鸞大師により創建された寺院)に遺されていた曇鸞大師の碑文に出あわれます。そのお言葉に感銘を受けられた道綽禅師は浄土教に帰依されました。
道綽禅師は「道綽決聖道難証 唯明浄土可通入」・・・「(末法の時代においては)聖道門の教えによってさとるのは難しく、浄土教の教えによってのみさとりに至ることが出来る」ことを明らかにされました。ここで注意しなければならないのは、道綽禅師は決して”聖道門の教えを否定されたわけではない”という点です。道綽禅師は聖道門の教えは正しい教えであると認められた上で、しかしながら機根(人間の性質)の衰えた末法の世の衆生には、その聖道門の 教えはあまりに難しく、正しく実践することが出来ないのだと説かれたのです。
そして、そうした末法の衆生が救われる道として、阿弥陀さまの修められたあらゆる功徳が具わった名号を一筋に称えることをお勧めになられました。その仏道こそが南無阿弥陀仏のお念仏であります。南無阿弥陀仏。
コロナウイルスの影響が冷めやらぬ中、当日は多くのご参加を賜りました。玉木先生におかれましても大変貴重なご講義を賜り、誠にありがとうございました。備龍会会員一同、深く御礼申し上げます。
次回の講座は【善導大師を讃える文「善導独明仏正意」を中心に】と題しまして、7月4日(月)に同3会場にて、同じ講義形式で開催いたします。連続講座ではありますが、講座毎にテーマも違うため、いつからでもご参加いただけます。特に今回の講座では世羅組正満寺様の会場では新しく参加してくださった方が沢山いらっしゃいました。
会員一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております!