「おてら日和。」カテゴリーアーカイブ

備後地域の浄土真宗のお寺を備龍会メンバーがめぐり、その特長や活動内容をレポートしていくコンテンツです。

本願寺備後教堂 “報恩講法要”

寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。約一年ぶりの「おてら日和」です。

今回は、11月29日に勤まりました福山市東町にある本願寺備後教堂の報恩講をレポートさせていただきます。と言っても、僧侶のなかでは誰もが知っている「本願寺備後教堂」というお寺ですが、知らない方もたくさんおられるのではないでしょうか。

浄土真宗本願寺派では、岡山県西部から広島県東部のエリアを「備後教区」と呼び、ここには250あまりのお寺が所属しています。その備後教区にある本願寺直属のお寺を〝本願寺備後教堂〟と言います。ここには教区の宗務機関である教務所が置かれ、教堂では毎月11日に常例法座が勤まり、誰でも自由に参拝することができます。場所は福山駅から線路沿いを東へ約10分程歩いた大変便利のいい場所にあります。

その教堂で勤まる最も大きな法要が「報恩講(親鸞聖人のご命日をご縁に勤められる浄土真宗では最も大切にされている法要)」です。それでは、その様子について少しまとめましたので、ご覧ください。

10時からのお勤めということで9時半ごろ参上した私ですが、すでに多くの方が参拝しておられました。入り口には幕がはられ、横には仏旗が立てられ、法要が勤まることを知らせてくれています。

中に入ると受付があり、役員さんが笑顔で迎えてくださいました。そして、何と横には備龍会が販売している”みのり煎餅”が山積みに!まだまだ余っていますが、帰りにはだいぶなくなっていました(嬉)

受付を済ませ、本堂のある二階に上がってみると、立派なお仏華が生けられていました!聞くところによると、このお仏華は、ご本山のお仏華を生けておられる開明社『花新』水本会長ご指導のもと、「備後佛華之會」の皆さまで生けたものだそうです。地方ではめったに拝見することができない、貴重なお仏華です。

お手本:ご本山御正忌報恩講の前半(9日〜12日日中まで)の佛華(菊、梅擬、赤目柳等)

お浄土は人間の心では想像することができない世界であると言われています。しかし、そのままであると私たちはお浄土に思いをはせることができません。そのため、それを何とか形に表そうとしたのがお仏壇であり、お寺のお内陣(仏様が安置されている場所)であります。この素晴らしいお仏華を拝見しながら、すこしお浄土を感じさせてもらったことです。

その足で、備龍会会員も多数出勤するということで、控室を覗かせてもらうと、雅楽の練習の真っ最中。緊張感が漂っており、誰も目を合わせてくれません。

そして、いよいよ10時。喚鐘(法要の始まりを知らせる合図)がなり、奏楽員(そうがくいん)が入堂し雅楽が奏でられます。雅楽を生で聴くことができるのも教堂報恩講の醍醐味ですね。

続いて結衆6人が入堂し、最後に導師である本願寺備後教堂主管が入堂されます。

今回の法要は”五会念仏作法”という一般寺院では、あまり勤まることのないお勤めでありました。聞いた話によると本山でも年に数回しか勤められていない貴重なお勤めだそうです。(詳しい説明はページの最後をご覧ください)

備龍会会長も出勤され、声高らかにお勤めをしておられました。

左:備龍会会長

そして、このお勤めの珍しいところが、下の写真の行道であります。導師と結衆が、お経を称えたり散華をしながら、阿弥陀様の周囲を回るのです。間隔も均等でなければならず、すべての人が息を合わさないと勤めることができない難しい作法です。和を重んじる仏教精神がこの行道には求められます。

行道の後は、着座した状態でのお勤めに戻ります。前日に習礼(予行練習)をされていただけあって、声や動きなど見事にそろったお勤めでありました。

時々、お勤めは何のためにするの?ということを尋ねられることがあります。一言で言えば「仏徳讃嘆」です。阿弥陀様は現に今、「必ず救う」と私にはたらいてくださっています。そのおはたらき(徳)を讃え、感謝申しあげる。これがお勤めの目的です。約30分程のお勤めでありましたが、作法に則って仏様のお徳を讃えておられる姿というのは、大変美しいものであると改めて感じさせていただきました。

お勤めの後は、「御俗姓(ごぞくしょう)」の拝読です。これは、親鸞聖人のご生涯と報恩講における門徒の心得が説かれているお書物であり、参拝者はこうべを垂れて恭しくお聴聞します。

法要終了後、控室に行ってみると、緊張から解放された会員の姿がありました。奏楽員(雅楽)、結衆と大活躍でした!

御俗姓拝読の後は、ご法話です。浄土真宗では必ずご法話があります。今回のご講師は、兵庫県の多田満之先生でした。「地獄、餓鬼、畜生のど真ん中にいる私に気付かされ、現世でそれらの迷いの世界を超えていく。これが浄土真宗である」ということを、巧みな話術をもってお話くださり、楽しく有り難く聞かせていただきました。

そして、昼にはお斎を頂戴し、昼休憩にはお寺の坊守様グループ「ボーモリーズ」による仏教讃歌がありました。すばらしい歌声を通して、み教えを聞かせていただきました。

昼からも午前と同様に報恩講が勤まり、阿弥陀様のお心にどっぷりと浸からせていただいた一日でありました。

今回、初めて備後教堂を取り上げさせていただきました。この度の法要以外にも毎月11日には常例法座が勤まり、備龍会も仏教教養講座などを開催しています。どなた様も自由に参拝し浄土真宗の教えを聞くことができるお寺であります。是非、気軽に多くの方にお参りをいただきたいと思います。

備後教区ホームページ:http://bingo.gr.jp/

●五会念仏作法について

五会念仏とは、念仏を五段階に分けて称える法要のことで、唐の法照禅師(746年~838年)が制定されたと伝えられています。法照禅師は、七高僧第5祖の善導大師の生まれ変わりと言われ、念仏の教えを広めることに尽力された方でした。親鸞聖人もご著書の中で度々禅師のお言葉を引用されており、非常に尊敬されていたことがうかがえます。
法照禅師の時代は、念仏の教えが軽んじられていたようです。その状況を悲しまれ『浄土五会念仏略法事儀讃』を著し、念仏を五段階に分けて称える五会念仏の儀式を定められました。禅師の定められた五会念仏は、次第にテンポが速くなり、音階が上がっていくものであったようで、誠に美しい音色であったと想像されます。『大無量寿経』には、阿弥陀様のお浄土には、金、銀等で出来た樹木があり、それらは5つの非常に美しい音を奏でていると説かれています。禅師はそのことに因んで、五会念仏を制定し、当時の人びとに念仏の教えを広めようとされたのでした。
日本には天台宗第3代の円仁が伝えたそうですが、残念ながら現在では五会のうち一会の節しか伝わっていません。
現在本願寺で制定されている五会念仏作法は、『浄土五会念仏略法事儀讃』の極一部を法要用に編集されたものでありますが、時代とともに簡略化されたものだそうです。とはいえ、なかなか勤められるご縁は少ないですから、この度の報恩講では前日に集まり、習礼が行われました。
その甲斐もあり、とても美しい節と軽やかなテンポが法要を彩っており、お浄土の荘厳さをあらわしていました。

『お寺でカープ観戦』に行ってみた!

今期のカープ…誠に残念でした。

今年こそは日本一を見せてくれるか!と願っていましたが、惜しくも日本シリーズで敗退。

とまぁ掲載するのが遅くなってしまい今更ではありますが、久しぶりの「お寺日和。」は、

備龍会会員の所属寺院である福山市崇興寺にて行われた「お寺でカープ観戦!」に行ってきました。

 



 

心躍らして崇興寺へ到着♪

 

駐車場へ車を停めて本堂へいくと

 

本堂前に置かれたホワイトボードにはこんな案内が‥

住職の本気度が伝わりますね(笑)

 

少し緊張しつつ本堂内へ入ってみると…

150インチの大型スクリーンに向かい沢山のカープファンが大応援!
本堂内にはブルーシートが敷かれ、各々飲食物を持ち込んで盛り上がっていました。
堂内の熱気が高まってくると飲み物が必ずこぼれるそうで、ブルーシートは必須とのことです。
ちなみにいずれは「レッドシートにしたい!」と密かに考えているそうです。


▼以前の新聞に掲載された写真を確認してみると、確かにこの飛び上がり方はこぼれますね(笑)

 

▲手作りでハンバーガーを作って持ってこられているご夫婦がおられました。いやぁ美味しそうです。

 

この宴会写真だけを見れば、ここがお寺の本堂だとは誰も思わないだろう…笑

来場者、また市内の料理屋さんからもお酒やお菓子の提供があって、手ぶらで来た人も自由に楽しめます。これで無料って…凄くない?!

私も提供されていたカープサイダーを頂きました。美味しぃぃいい!

 

 

点が入るとみんなで立ち上がって盛り上がります。これは楽しい!やっぱみんなで応援すると楽しい。

 

9回裏4対4…

思わず仏様に手を合わせるカープ男子…

 

 

この日は惜しくも負けてしまいましたが、試合が終わりみんなで笑顔でポーズ!

 

最後に御本尊へ向かい全員で合掌礼拝をして解散となりました。楽しい観戦会だったので、本当にあっという間の時間でした。



 

お寺の本堂でこういう行事を開催することに、もしかすると否定的な方もおられるのかもしれません。本堂は御本尊を安置して、お経を読んだり、法話を聞く場所であることは誰しもが分かっていることですからね。

今回どんな想いで開催しておられるのか?

崇興寺住職の枝廣慶樹氏に素直に聞いてみました。

↑↑カープ帽の似合う崇興寺の枝廣住職

「『お寺でカープ観戦!』は一昨年に始めたことで、これは私が考えたことでなくて、カープファンのご門徒さんからの提案でした。開催すれば怒られることもあるかと思いましたが、実際クレームなどは全くありませんでした。お寺に参って、仏様の教えを聞いて欲しいという願いがありますが、その前に『崇興寺を知って欲しい』『住職である私のことも知ってほしい』という思いがあります。何も知らないお寺に参ることはなかなかできませんからね。一緒にカープを応援すれば仲良くなれるんじゃないかっていう下心ですね(笑)この行事はお寺のすることではないのかもしれませんが、実際にこの行事が縁となって、他のお寺の行事に来てくださる方がおられました。本当に僅かなことですが、ご縁作りってこういうことじゃないかなと思っています。」

 

▼ご縁作りにお寺でヨガなども開催されています

枝廣住職は23歳で住職となって現在33歳。こういう取り組みができるのは若さ故の勢いなのかもしれませんね。日本一が決まるまで連日全試合を開催するんですから、決して楽なことではありません。翌日には法事などもあるわけで、毎日片づけてはまた設置、片づけてはまた設置、されるそうです。

住職は「いやー、慣れてきて日に日に準備片付けの時間も短くなっていますよ。明日も最短時間を更新してやりますよ!」

と謎に誇らしげに語っておられましたが、実際準備や片付けにかかる作業は大変なものだろうと思います。
しかし、私は「こんな風にお寺で楽しめる行事がもっとたくさん増えればいいなぁ」と率直に思いました。お寺にご縁のなかった人も参加したくなるような行事が増えたらいいなぁと。


帰り際、参加者にお話しを伺うと、
「楽しくて真面目な住職さんの人柄に惚れてます。バラエティに富んでいて何時間話してても飽きないんですよ。カープ観戦にしても始めは選手の名前もあまり知らなかったみたいなのに、『住職一緒に応援しよー』と言われて『いいですよー』と嫌な顔一つせずにやっちゃうんですから。とにかく行動力が半端ない方ですね。」
と話してくださいました。

なにやらこれからも何か面白いことをしてくれそうな予感がビンビンしてきました。

崇興寺と枝廣住職の今後をYo!!Check it out!!

崇興寺HP:https://soukouji.com/

庄原市高野町で降り注ぐ〝県天然記念物〟

備後地方の最北端に位置する庄原市高野町へ行ってまいりました。

尾道と松江を結ぶ自動車道、通称「やまなみ街道」が開通してからというもの、高野町は大変な賑わいを見せています。

例えば、「道の駅たかの」だけで、「やまなみ街道」開通前と比べると、庄原市高野町全域の観光消費額(平成21年)の3倍に相当する売り上げがあるというのですから、地域活性化が進む町として注目が集まっています。

そこでまずは「道の駅たかの」に寄ってみることにしました。

IMG_5472

高野ICを降りるとすぐ「道の駅たかの」があります。

IMG_54761

image1 (81)

 

確かに・・・

平日だというのにすごい賑わいだ!!

 

無題1 ユーザ定義サイズ

頭に矢印が刺さっているのが今回取材班のメンバーS氏とY氏です。
何やら興味深そうに覗きこんでいます。

私の買い物が終わって戻ってみると、より興味深そうに、まだいる。

image2 (6)

5分後に戻ってみると、まだいる。
なにやら悩んでいるようだ。

気のせいか、いつの間にか周りも彼らを避けるように人がいなくなっています。

image3 (4)

その後も彼らは何かを見ていましたが、なんとなく事情は聞かずに、そっとしておくことにしました。

お手洗いに行って、戻ってみると、今度はS氏がなにやら嬉しそうにパネルを抱き抱えています。

IMG_5485

そういえば高野へ向かう車中でS氏が言っていた。

「〝君のいる町〟というアニメの作者〝瀬尾公治〟さんが高野町出身で、アニメの中で高野町が舞台に取り上げられているんだ。その作者は僕の友人の後輩ということもあり、連載当時は夢中になったなぁ」

この作者は現在でも「週間少年マガジン」で「風夏」というマンガの連載を持たれているスゴい人みたいだ。ちなみにS氏は「ボクはもう少年じゃない」という理由で「風夏」は読んでないらしい。

道の駅たかのHP http://www.takanoyama.jp/


その後もS氏の「君のいる町」への熱の入った話しぶりに、若干引き気味になりながらも、「道の駅」の活気を十分にあじわった我々は、本日の目的地である「圓正寺」様へと車を走らせます。

今回、同行しているY氏は

「ちょっと高野にいこうぜ」

としか知らされず強引に連れて来られたこともあり、「圓正寺」様に到着したとき、彼は驚きの声を発せずにはいられなかったらしい。

 

image2 (5)

「なんじゃこりゃーーー!」

 

まさかの松田優作でしたが、この度私たちが取材に来たのは、県下有数の巨樹で天然記念物の「しだれ桜」です。

DSC_5760 DSC_5757DSC_5766DSC_5797

境内には寛文7(1667)年頃に植樹されたという「しだれ桜」が3本あり、そのうちの2本が、昭和34年に広島県天然記念物に指定されたそうです。

他にも春にはエドヒガン、県内最大とされるコブシなどが満開です。

圧巻の大きさで、カメラにその全貌が写せなかったのと、S氏が「カメラの撮影は俺に任せとけ!」と自信満々だったのにカメラを忘れてきたこともあり、勝手に動画をPV風に作成してみました。この壮大さの一片でも伝わるとよいのですが。

「桜を見に来られた方にゆっくりと落ち着いた時間を過ごしてほしい」
との思いから、境内でJA女性会の皆様がご好意でお店を開かれています。
抹茶の接待を受けながら、圓正寺ご住職様にお話を伺いました。

DSC_5740

手作りのぼた餅が本当に美味しいです!!
しだれ桜を見ながらのホッとする優雅な時間、とても贅沢です。

image1 (10)

-見ごろはいつですか?

「4月中ごろから下旬ですね。
他の地域に比べると開花が遅いのですが、今年は早くて中旬には満開を迎え、下旬までには散りそうですね。
例年facebookページで開花状況を更新していますので参考にしてください。」
https://www.facebook.com/enshouji/photos_stream

 

-手入れは大変ですか?

「まず桜の周りの土は踏み固めてはいけないということがあります。そこで開花のシーズンは桜の周りにロープを張って入れないようにしてます。毎年ミナラル樹脂を敷いたり調整をします。
あと消毒などは大型クレーンを使ったり、開花しなかった枝などは剪定したりします。」

写真%20(7) 写真%20(8)

 

-しだれ桜について思いを聞かせてください。

「長い歴史の中で災害に遭うこともなく奇跡的に生き残っているのは、多くの人々の努力と熱意によって守られてきた結果です。
次代へ、この貴重な文化財を残すために精一杯の努力をしていきたいと思います。」
P1030508

-今後の何か方針などありますか?

「〝お寺〟は、仏様の教えがそこを通してはたらく場所ということですから、まずお寺においでいただくということが大切です。そういう意味でも遠近各地より、たくさんの方が訪れてくださることは喜ばしいことです。
しかし、そこで来られた方に仏教の教えそのものが持つ魅力を伝えるとなるとなかなか難しくて思案しています。せっかくお寺の山門をくぐってくださったのだから少しでも仏法に触れてもらうことができればよいのですが・・・。今後の課題です。」


ご住職様の真面目な人柄から、日ごろより生活の中で仏法と真摯に向き合っておられる姿がにじみ出ているようでした。
開花の時期は本堂を解放していらっしゃるそうです。せっかくお寺に入られたのですから、ご本尊の前で静かに手を合わせる時間ぐらいはもちたいものですね。

夜桜の写真をいただきました。
ライトアップされた夜桜もなんとも美しいですね。

P1020185 P1020214

今年の花見には間に合わないかもしれませんが、来年はぜひみなさん訪れてみてください♪

 

 

受け継がれてきた郷土料理「うずみ」

旧府中市内のお寺の報恩講では、江戸時代から福山近隣に伝わる郷土料理「うずみ」が精進料理で振舞われているという情報を得て、府中市の中心地にある明浄寺様をお訪ねすることにしました。

※レポートが遅くなってしまいましたが、実際にお伺いしたのは12月です。

s_IMG_5090[1]

府中駅前の道をまっすぐ行くと、突き当たりにあるのが明浄寺様で、備龍会の16代目の会長がご住職をされているお寺です。

※「報恩講」は浄土真宗の宗祖親鸞聖人の90年のご生涯にわたるご苦労をしのび、ご遺徳を讃え、ご恩報謝する大切な法要です。


途中とても素敵な建物があったので立ち寄ってみました。

s_IMG_5096[1] s_IMG_5099[1]

「恋しき」というチャーミングな名前の建物で、明治5年に創業した料亭旅館を再利用したお食事処とのことです。
府中市はかつて「備後国府」が置かれ、備後国の政治、経済、文化の中心であったこともあり、現在でもこういう奥ゆかしい佇まいの建物を見ることができます。
また、府中市には創業100年を超える企業が60社もあるということからも、その歴史の深さを伺えます。


さらに寄り道をする我々は、アイス屋の老舗「東屋」へ向かいました。
こちらでは神戸や大阪で数年前から話題をよんでいる「インコアイス」を食べてみることにしました。
image3 (1)
image2 (4)

私は「オカメインコ」をチョイスしましたが、他にも、セキセイインコ・コザクラインコ・モモイロインコ・ヨウム・ぶんちょうの全6種類のラインナップがありました。
フタがオカメインコの顔になっていてとっても可愛いです。

商品説明には
「口を開けて寝ていたら、オカメが顔の上を通り抜けて、足が口に入ったような・・・風味」

恐る恐る食べてみます。
中には「ひまわりの種」が入っていて、インコっぽい風味を確かに感じますが、味はかなり美味しい!!
横で自称インコ好きの先輩が「セキセイインコアイス」をニヤニヤして食べているのを「気持ち悪いなぁ」と横目で見ながら美味しくいただきました。
image3 (2)


その後も、実際には寄り道をくり返し府中を満喫した我々でしたが、本来の目的から反れすぎるのでここでは泣く泣く割愛し、お寺へ向かうことにします。

さて、取材陣の府中のイメージといえば、「府中家具」「府中味噌」「府中焼き(お好み焼き)」と大きくこの3つなのですが、明浄寺様のすぐ横には、「浅野味噌」というお味噌屋さん、そしてお寺の左右に「さち」と「古川」というお好み焼き屋(どちらも府中では予約必須の人気店)があるという「これぞ府中!!」という立地条件(残念ながら近所に家具屋はないようですが・・・)。
s_IMG_5086[1]

お土産に浅野味噌で「乾燥みそ(フリーズドライ)」と「府中味噌ラーメン」を買ってみたのですが、これが絶品です。府中に行かれた際にはお土産におススメです。
image2 (3)


また本題から反れてしまいましたが、ようやく明浄寺様に到着し、まずは本堂にお参りさせていただきました。

明浄寺1

綺麗にお荘厳されたお内陣もさることながら、驚かされるのはご本尊の大きさです。
浄土真宗でこれだけ大きなご本尊は珍しいのではないかと思いますが、約160cmあるらしいです。

12369207_427170047475982_755351057300439872_n

美しく彩られたお供物は、ご住職様を中心に型を取るところから手作りというのですから驚きです。


さて、いよいよ本題である「うずみ」についてお伺いをしていきました。
うずみというのは、江戸時代の倹約政治により、贅沢品とされた具材をご飯で隠して食べたのが始まりと言われる料理です。しかし、いつしか贅沢を隠す必要がなくなったからなのか、一般的には作られることがなくなった料理らしいです。
最近でこそ、「B級グルメ」というご当地の郷土料理を競う催しが注目されるようになり、名前を聞くようにもなりましたが、長い間、その存在は隠れていました。

明浄寺様の「精進うずみ」の作り方に明確なレシピというものは存在せず、作り手からまた新しい作り手へと伝授されてきました。

DSC02295

材料には、ごぼう、しいたけ、人参、里芋、銀杏、豆腐、ユリ根、しめじを使います。
左のお皿は完成したあとに添える薬味で、ゆずの皮、せり、ふきのとう、しょうが、ねぎです。

DSC02297
しいたけ・昆布でだしを取り、味付けをした汁で、ごぼう、人参、しいたけを煮ていきます。

DSC02298続いて、里芋、銀杏を投入!

DSC02299最後に豆腐、しめじ、ユリ根をいれます。

DSC02300DSC02301

ずいぶんと大雑把な解説になりましたが、最後にご飯をのせて、具材を隠して完成!!
先に汁を注いでから後でご飯をよそうのが特徴的です。
写真では具材を多めに入れていますが、本来は具材が見えないようにご飯をよそっただけにみせて贅沢しているのを隠して食べる料理だそうです。


味については、美味しいことはもちろんのことですが、この美味しさを文章で伝えることは非常に難しいです。ただ、流行もあり、某所で最近になって急に見かけるようになった「うずみ」とは全く異なる美味しさであるということだけは伝えておきたいです。
それは、まず精進料理ということがあります。そして長く途絶えることなく、この料理を伝え、何十年、何百年と変わることなく、作り守り続けられてきた伝統の味。日ごろは贅沢はできなくても、報恩講のときには、聖人様のご苦労に感謝し、少しでも華やかに厳修したいという先人の願いと、それを受けて今作られている方の思いが詰まった、深い深い味ということです。
深くご恩を喜びながら、有り難くいただきました。


12369006_427885777404409_7723791682876744050_n12392055_427885747404412_2641419440675901901_n

帰るころにはすっかりと日が暮れて、境内では竹で作られた灯篭が夜のお座を華やかに引き立てていました。

お寺はその時代に合わせた取り組みや動きをしなければならないということがあります。しかし、一方で先人たちが守ってきてくださった歴史の重さ、われわれの前に高く法灯をかかげて歩みをすすめてくださった先輩方の思いに心を寄せて、伝統的な部分、守られてきたものをこれからもしっかり伝えていくということも、改めて大切にしていきたいと実感としてかみ締めさせていただきました。

三原市久井町の光徳寺さまの「声明×雅楽×落語×キャンドルの夕べ」にお参りしました。

10421098_719072784870815_3407594009605494122_n (1)「おてら日和。」の記念すべき第1回は、三原市久井町の光徳寺様へ行ってきました。
私たちが訪れたのは降誕会の法要で、「声明×雅楽×落語×キャンドルの夕べ」をテーマに勤修されます。チラシからも何やら楽しそうな香りが漂ってくるようです。

※降誕会というのは浄土真宗を開かれた親鸞聖人のご誕生をお祝い申しあげる法要です。


山陽自動車道三原久井インターを降りて、車で15分ほど走ると光徳寺様に着きます。

少し早くに着いたので周辺を散策していると、「久井の岩海」という看板を見つけたので立ち寄ってみることにしました。

ダウンロード (5)

地質に関する三原市唯一の国の天然記念物だそうです。

ダウンロード (6)

林道を抜けると、雄大な岩海が広がります。

ダウンロード (7)ダウンロード (8)

森林の爽やかな香りのする、とても静かな場所で、巨岩が重なり合って川のように続く景観は壮大で見ごたえ十分!〝一見の価値あり〟です。


 

岩影に身を潜めながらのかくれんぼに夢中になりすぎた私たち取材陣は、いつの間にか予定時間を超過し、慌てて本来の目的地である光徳寺様へ向かいます。

田園風景が広がる中に大きな阿弥陀様の石像が見えてまいります。

ダウンロード (9)

久井町は豊かな自然に恵まれています。
野鳥のさえずりとカエルの鳴き声が私たちを迎えてくれました。


お寺に入ると門徒接待所でキャンドルのワークショップが開かれていました。
本当はキャンドル作りに参加させていただく予定でしたが、「岩海」でハシャギすぎて時間がなくなってしまったので見学だけです。

子供たちはキャンドル作りに興味津々!
でも実際夢中になっているのは親御さんだったりします。

image12

image2 (2)

写真のチャーミング女の子は、ご住職の長女「よりこちゃん」です。
「わたしはキャンドルの魔術師よ~♪」の掛け声がなんとも可愛らしい。


 

ダウンロード (13)

境内ではキャンドルナイトの準備をされています。
手がけるのはキャンドルアーティストの『CANDLE/FURU』さん。
お話を伺うと、降誕会への参加は今年で3年目ということで、日ごろは広島 呉市広でレストラン経営と、手作りキャンドルの制作&販売をされているということです。
これはぜひ1度行ってみたい!

『CANDLE/FURU』さんのブログ http://ameblo.jp/candle-furu/


まずはご住職に挨拶をしようと、お寺に入るとご住職の藤田徹信様がY字バランスでお出迎えしてくださいました。法要前に柔軟して身体をほぐされるようです。

ダウンロード (14)


法要開始15分前にご住職がお勤めの説明をされます。
ご住職は「備後教区勤式指導員」をされており、分かりやすくいうと、

「備後地方代表、お経や仏事作法のスペシャリストお坊さん!」

いつ聞いても惚れ惚れする美しい声で、参拝者を魅了されます。
今日は「らいはいのうた」という勤行で、そこに雅楽がコラボレーションして華やかに勤まるということで期待が膨らみます。

仏華は、ご住職が、西本願寺・大谷本廟の仏華を立てていらっしゃる開明社「花新」さんより直接学ばれて生けられたものです。
「笠真の松一式」 実にすばらしい!実に大きい!

ダウンロード (15)


法要始まり合図の鐘が鳴り響くと、雅楽奏者が本堂に入ってこられました。

ダウンロード (16)

美しい音色が鳴り響く中、ご住職が入堂されます。

ダウンロード (17)

ご住職の美声が本堂内に響きわたります。

「きーみょーう むーりょーう じゅーにょーらーいー」

「あれ?」

参拝者一同が顔を見合わせます。
なぜならお勤めが「らいはいのうた」ではなく「正信偈」というお勤めではありませんか。
しかし、皆さん別段慌てる様子もなく「正信偈」をご唱和いたします。
お勤めが終わるとご住職が説明に来られました。

「たくさんの皆様にお参りいただき、雅楽の音色に感動しながら、親鸞聖人様のご生涯に思いをよせておりましたら、気がつくと正信偈を称えていました。本当に申し訳ありません。」

参拝者から笑いが起こります。

正信偈は親鸞聖人が著述された書物の一部で、浄土真宗のみ教えを簡潔に示された讃歌です。
降誕会に親鸞聖人に感謝し、思わず正信偈のお勤めが口から出てしまったというご住職の言葉に、参拝者の顔も自然と朗らかになります。
ご住職の優しい人柄、そして、日ごろからご門徒の方とご住職があたたかい関係で結ばれていることが感じられる一幕でもありました。


お勤めが終わると、外も少し薄暗くなり、キャンドルに火が点され美しく浮かびあがります。

ぬくもりのある彩光が境内を包んでいきます。ダウンロード (23)

 

ダウンロード (18)  ダウンロード (20)


本堂では景気の良いお囃子が流れてきました。
落語は、前住職の藤田徹文様が始められてから、今年で18回目を迎えるそうです。

始めは笑福亭喬楽さんの「みかん屋」

ダウンロード (21)

次に笑福亭生喬さんの「三十石」

ダウンロード (22)

若い方から年配の方までお腹を抱えて笑っておられました。
喬楽さん生喬さんのお師匠は6代目笑福亭松喬さんです。光徳寺さまでの落語は、師匠と前住職さまとのご縁から始まり、師匠亡き後もご縁は繋がり今日の席があるとのことでした。なんともありがたいご縁に会わせて頂きました。
落語が終わり、「来年も楽しみにしてますね」とご住職と言葉を交わされ、皆さん、今にもスキップをしそうな雰囲気をかもし出されながら帰られました。


 

厚かましい私たち取材陣は、ご用意くださった手作りレーズンケーキをいただきながら、ご住職との楽しいおしゃべりに移ります。

歓談の中でご住職が、
「久井は自然豊かで、空気は美味しいし、空も青く広く、夜には満天の星が輝きます。〝田舎〟と言ってしまえばそうなのですが(笑)、とても良いところです。
しかし、年々進む過疎化を目の当たりにしておりますと、お寺に自然と人が集うことが難しくなってきていると強く感じます。
お寺は、誰もがそこにいてもいいという拠り所であると思っていただけるように、また、遠くへ出られた方にも〝ふるさと〟のように帰れる場所でありたいと思っています。
お念仏をよろこばれた多くの先人方に感謝しながら、またお法をこれからも伝えていけるように、時代に合わせた新しい取り組みも積極的に行っていきたいです。」
という思いを聞かせていただきました。

このあと落語家さんたちとの食事会をされるということで、私たちにも「ぜひ、ご一緒に!」とお誘いいただきましたが、夜も深くなったので泣く泣くお断りし光徳寺をあとにしました。

さて、次回はどこのお寺でどんな出会いがあるのでしょうか。
これから、備後のお寺が放つ魅力的なところをどんどん紹介していきますので、どうぞお楽しみに!