備後教堂を会場に仏教教養講座を開講しました。
この度の教養講座は、〝御絵伝の解説〟ということで、大阪より若林眞人先生と宮部誓雅先生にお越しいただきました。
※御絵伝とは親鸞聖人の御生涯を絵で表した掛け軸のことです。
「若林先生のご法話に宮部先生のプロジェクターを使ったご絵伝解説楽しみだなぁ♪」
讃仏偈のお勤めで始まりました。
法然聖人と親鸞聖人はどんな出会いだったのだろうと想像しながらの開会式です。
第一部は宮部先生のご絵伝解説です。
普段は小さくて見えないような細かい所も、スクリーンに拡大して色鮮やかに映され、くっきりはっきり見えます。
そして驚くことになんと、動く!!まるでアニメーションのような技術で、ご絵伝で表されている情景が私の目の前でより身近に感じられます。人物の解説や、情景のこまやかな説明に、初めて聞かせていただくお話しが盛りだくさんです。
このように、右の下から上へ見ていきます。浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の御一生ですから上から下へ見下ろすのではなく、見上げていく(仰ぎ見る)という意味も込められているそうです。
その後、40分ほどのお時間で解説をしていただきましたが、この映像資料を作るのに数年がかりという大変な労力をかけておられるようです。
さらに仲間と研鑚しながら少しずつ改良を加えられて、より分かりやすく伝えられるように日々進化しているというのですから、その完成度の高さにも納得です。
これは四幅まで詳しく聞きたい!!という思いが自然とこみ上げてきます。
第二部は若林先生のご法話です。親鸞聖人のひ孫に当たられる本願寺第3代宗主覚如様がご制作なされた御絵伝は、親鸞聖人の御生涯を通して阿弥陀様のお救いを告げられいくもの、と聞かせていただきました。
慈鎮和尚のもとで得度をされ、弟子になられたのは対比の構造を作られたのではないかという事でした。慈鎮和尚は比叡山でも天台座主のお方です。当時の比叡山仏教界のトップであります。その天台座主慈鎮和尚の教えを投げ捨てて、法然聖人の弟子となられたというドラマチックな対比になっている訳です。
その場面、親鸞聖人が初めて法然聖人の元を訪れられた時の情景を、まるでそこで見てきたことを再現しておられるのではないかというような、臨場感溢れる表現に、会場が惹きこまれていきます。
※慈鎮和尚(じちんかしょう)・・・慈円とも呼ばれ、天台座主職につくこと4回に及ぶ。親鸞聖人のご生涯を詞書にした『御伝鈔』によれば親鸞聖人得度の師とされる。
迫力のある話術で、思いもよらなかった初めて触れるお話しに皆さん興味深々です。
最後に会場からの質問にもはっきりと、そして優しく答えていただきました。
遠近各地より御参りくださった皆さま、本当にありがとうございました。
来年も仏教教養講座、開講予定です!お待ちしております。