「ニュース・トピックス」カテゴリーアーカイブ

備龍会主催行事のお知らせやご報告はもちろん、メンバーのお寺や個人の活動など、さまざまな関連情報を随時お知らせしていきます。

“みのりせんべい”について取材を受けました!

9月1日より従来の【金色】パッケージに加え、新色【青色】【桃色】が登場し、改めて注目を浴びております”みのりせんべい”

新色発売日の9月1日にFMふくやまさんの取材を受けました。「みどりのオアシス」という番組の<それゆけ!レ・ビン号☆パートⅠ>というコーナーでご紹介していただきました。

レ・ビン号です↓こちらの「レ・ビン号」で現場に突撃取材するコーナーです。レッツゴービンゴなのか、レ・ミゼラブル的な「レ」なのか、憶測は飛び交いましたが車には「レディオBINGO」とありました!

取材を受けたのは備龍会前会長、山下瑞円氏。

以前、同じくFMふくやまの「お坊さんステーション」というコーナーにて、前会長が”みのりせんべい”の紹介をしたことをご縁に今回の取材につながりました。

”みのりせんべい”の歴史や、込められた思い。製造元への思い。真心こめて作られている”みのりせんべい”について、真心こめてお話されていました。

(余談)最近はスマホで生放送の取材ができるんですね!

今後も”みのりせんべい”を通して、仏様のお法(みのり)が伝わっていきますよう、会員一同精進してまいります。


”みのりせんべい”の詳細、ご注文はこちらのページから↓

みのりせんべい詳細&注文フォーム

そしてそして、その時のラジオの音源ございます。是非一度お聞きください↓

備龍会 2021.9.10

2021(令和3)年度 備龍会総会

6月23日(水)に備龍会総会を開催しました。今回も、Zoomを用いたWeb会議を導入し、教堂に27名、Zoomからは6名の会員が参加をしました。

会長挨拶

総会は、重誓偈のお勤めから始まり、会長挨拶の後、議題(9項目)についての審議に入りました。

総会資料

まず行事報告では、予定していた行事の半分以上が中止になったことが報告され、今回もコロナウィルスの影響を大きく受けた年度報告となりました。しかし、そのような中、オンラインによる仏教教養講座「withコロナの仏教談義」が無事成功したことは、大きな成果でもありました。また、重要議題である行事計画(案)と2021年(令和3)年度予算(案)については、案通りに可決され、行使されることに決定をいたしました。

続いて、各専門部(研修部、交流活動推進部、広報部、野球部、みのりせんべい会計、災害対策、浄土真宗青年僧侶連絡協議会)からの報告がありました。特に広報部からは、「みのりせんべいの価格改定と新色パッケージ販売」の決定に至る経緯説明があり、今後、新たなチラシの作成を行い、各寺院様や有縁の皆様に発送をもってお知らせする予定であるとの報告がありました。

総会の様子

最後の議題では、役員改選の審議が行われました。立候補者がいなかったため、推薦人数名による候補者の選出が行われ、総会にて田坂英尊会員が新会長に選任されました。今後、新会長のもと新執行部が形成され、備龍会が引き継がれていきます。また、新執行部任期中の2年後には備龍会結成50周年を迎えます。今後の活動に是非ご注目ください!

仏教教養講座「withコロナの仏教談義」

去る3月12日、毎年恒例の備龍会主催『仏教教養講座』を開催しました。この講座は広く多くの方に仏法に触れてもらいたいという願いのもと、年1回開かれている申込み不要・参加費無料の公開講座です。今年は新型コロナウィルスの影響により、先生のご厚意のもとYouTubeを用いた初のオンライン開催となりました。ご講師の龍谷大学教授 玉木興慈先生には、ご自身の研究室からライブ配信をしていただきました。また、教堂には、視聴する端末をお持ちでない方やインターネット環境が整っていな方が聴講できるように、大型のスクリーンを設置し、お参りをいただきました。

YouTube配信係

今回の配信は、Zoomミーティングで中継を結び、その映像をYouTubeで流すという手法をとりました。そのため、そのことに長けている会員が機材を教堂に持ち入り、配信係を担ってくれました。

会長挨拶リハーサルの様子

講座は、まず備龍会会長の挨拶から始まりました。会長は、初のYouTubeということもあり、少し緊張した面持ちで挨拶に臨みました。会長挨拶の後、いよいよご講義がスタート!初の試みであり、ドキドキした思いで始まりました。

本堂の様子

本年は『withコロナの仏教談義 共に生きる~私たちは何と共に生きるのか~』と題して、「共に生きる」ということを浄土真宗の立場からどのように考えていくことができるのかということを中心に、ご講義を賜りました。

そのなかで印象的だったのが、「共に生きる」という言葉は美しいけれども、果たして我々が実践できるのだろうかというご指摘です。
仏教学者の木村清孝氏の「争生」(living in battle) という言葉を紹介され、『共に生きるというのはとても美しい言葉だが、我々は美しい生き方ばかりできない。他者と争いながら生きている。自然を利用し、破壊し、また他の民族や部族と戦争を繰り返している。このような現実にも目を向ける必要がある』とご講義くださいました。

また親鸞聖人の

「小慈小悲もなき身にて
 有情利益はおもふまじ
 如来の願船いまさずは
 苦海をいかでかわたるべき」

というご和讃を通して、私たちは自分本位にしか生きることができず、思い通りに他の人々に寄り添ったり、他者を導くことはできない。それが人間の本性であるとお話しされ、そしてこのコロナ禍によって、その人間の本性が顕わになっているのではないかとご指摘くださいました。

コロナウイルスへの恐怖から、感染者に対する誹謗中傷、マスクをしない人への過剰な批判、自粛に反するような行動に対する常軌を逸した非難や批判、また偏見や差別など、まさに自分本位にしか生きることができない人間の恐ろしい本性が顕わになった姿ではないでしょうか。コロナと同じように恐ろしいものを内に抱えている我が身であり、自己中心的にしか生きていくことができない煩悩具足の私には「共に生きる」という生き方はできないのだという、その悲しい現実をしっかりと自覚することが大切だと思いました。

また「コロナが解決して、もう大丈夫だとなったとしても、必ずいのち終えていかなければならない。コロナが解決しても、解決しない死という問題がある。」とした上で、「私たちはいつ死んでいくかわからない。けれどもその私の死という問題を解決してくださるのが阿弥陀様のご本願である」と力強くお話しくださいました。

『蓮如上人が「朝には紅顔あって夕べには白骨となれる身なり」といわれるように、いつどうなっていくかわからないのが、私の命の姿である。けれどもいつでもどこでも、「あなたを必ず浄土に生まれさせ、仏にする」とはたらいて下さっている阿弥陀様がご一緒である』とお伝えくださいました。そして、浄土真宗で「共生」ということを考えるなら、「私がだれかと共に生きるということでなく、阿弥陀様が私と共に生きてくださっている」と考えることができるとご講義くださいました。

煩悩を抱えた私は、本当の意味で他者との「共生」は難しいのかもしれません。しかし、一人、一人のもとにいつでも、どこでも、共に生きてくださる仏様がいらっしゃる。その仏様のお慈悲をそのまま受け止めさせていただき、お伝えさせていただくことが、肝要であると教わったように思います。

質問タイム

本年は新たな試みとして、ご講義の後に先生と対談させていただく時間を設けました。 対談の時間では、会員からの質問やYouTubeのコメント欄からいただいた一般参加者様からの質問に、ご丁寧にやさしく答えてくださり、 大変有意義な時間になりました。
「コロナ禍の大学の様子はどうですか?」「若い学生の価値観を教えてください!」「先生のご自坊の様子はどうですか?」など、講義の中では聞けなかった質問が飛び交い、終止和やかな雰囲気で進められていきました。また、大学の生徒さんについて、「寺族ではない生徒さんの中に、4年間浄土真宗の授業を聞き続け、卒業の頃には、“浄土真宗っていい教えですね”と言ってくれる生徒さんがいる。人生のなかでつまづいたときに、少しでも思い出してくれたらいい。そんな思いで大学で講義をしています」というお話もしてくださいました。

例年とは異なる形での開催になりましたが、100名を超える程のご参加を賜りました。大きなトラブルもなく無事に終えることができほっとしております。誠にありがとうございました。また玉木興慈先生におかれましては、ご多用のところ大変貴重なご講義をくださり、心より有り難く存じます。備龍会会員一同深く御礼申し上げます。
尚、この度のご講義を、3月31日までの期間限定で、YouTubeにてアーカイブ配信を行っています。当日、参加できなかった方、是非ご視聴ください。
https://www.youtube.com/watch?v=KLhRezktXJs

仏教教養講座「withコロナの仏教談義」

年に一度、備龍会が開催している参加費無料の仏教教養講座!
今年度は、新型コロナウィルス感染拡大により、動画共有サービス「YouTube」を用いた生配信にて開催します。ご講師は、龍谷大学教授 玉木興慈先生。講題は「共に生きる~私たちは何と共に生きるのか~」です。
長きにわたるコロナ禍で、多くの方が不安を抱えながらの生活をしいられています。この度、備龍会では、このような状況だからこそ、多くの方にお念仏の教えに出遇っていただきたい!そんな思いで、仏教教養講座を開催いたします。
場所を問うことなく誰でも自由にスマホやタブレット、パソコンで視聴することができます。また、視聴するための機器をお持ちでない方やインターネットの環境が整っていない方に限り、備後教堂にお参りいただき、大きなスクリーンで聴講することができます。
皆様のご参加、心よりお待ちしています。


日時

令和3年3月12日(金)
13:30~16:30

参加方法

①YouTube(ユーチューブ)
YouTubeにて「備龍会」又は「withコロナの仏教談義」で検索
https://www.youtube.com/watch?v=KLhRezktXJs にアクセス

②備後教堂(本堂の大きなスクリーンで聴講)
視聴するための機器をお持ちでない方、又はインターネットの環境が整っていない方に限ります。13:00から受付。
アルコール消毒をおき、本堂は席の間隔をあけ、休憩時には換気をするなど、感染対策を行います。また、参拝者はマスク着用をお願いいたします。

講義資料

講義資料PDF

参加費

無料 ※申し込み不要

講師

龍谷大学教授 玉木 興慈 師
1969年大阪府に生まれる。
今年4月より龍谷大学文学部長就任予定
著書は『歎異抄のことば』(本願寺出版社、2015年)
現在、本願寺月刊『大乗』に「和のこころ」―親鸞聖人のご和讃―を連載中

≪訂正とお詫び≫
仏教教養講座の案内文面におきまして、講師のプロフィールに「昨年より龍谷大学文学部長に就任」とありましたが、「今年4月より龍谷大学文学部長就任予定」と訂正いたします。
講師の玉木先生、並びに学校法人龍谷大学にご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申しあげます。

日程

13:00   受付(教堂に参拝される方)
13:30   開会式
13:40   講義 ①
14:25   休憩 
14:35   講義 ②
15:20   休憩 
15:30   先生への質問タイム
16:15   閉会式
16:30   解散

2020(令和2)年度 Web全体会

12月23日(水)に備龍会全体会を開催しました。例年であれば、備後教堂の清掃奉仕や忘年会なども合わせて行いますが、新型肺炎コロナウィルスの感染が拡大しているため、全体会のみ開催しました。今回も、Zoomを用いたWeb会議を導入し、行事報告や行事予定、各部門からの報告など円滑に進めていくことができました。

行事報告では、第13回~15回「やさしく学ぶ正信偈」講座が中止されたことが報告されました。会長からは、この中止理由について、参拝者と会員の安全が十分に確保することができない状況のなかでは、開催を踏み切ることはできなかったという趣旨の説明がありました。

また、各部門からは以下の報告がありました。

・広報部
みのり煎餅の新色パッケージについて。お荘厳に映えるお飾りとして幅広く使ってもらえるよう、現状のパッケージに加え、新たに二色を追加することに決定した。現在、サンプルを発注している状況。

・研修部
参加費無料で開催している仏教教養講座について。コロナ感染状況を鑑みた上で、オンライン講義に絞って検討していく方向。

・交流活動推進部
老人ホームでのダーナ活動(奉仕布教)について。再開の目処が全くたっていない状況。

・みのり煎餅
売上状況について。コロナで減少していた売上が8月-11月にかけて前年と変わらない注文をいただき、回復傾向である。

・災害対策委員
本年7月の九州南部・熊本近隣での豪雨災害支援金について。熊本教区へ備龍会から支援金を送付。

コロナ禍で色々な制約があるなか、様々なことを模索し取り組んでいくことを会の中で確認できた全体会となりました。まずは、みのり煎餅の新色パッケージ追加!乞うご期待ください!

新型肺炎コロナウィルスの感染拡大により、未だに、三密になり得る場所への外出が難しい状況が続いています。会場となる本願寺備後教堂では、想定人数のご参加があった場合、十分な対策を講じることが出来ません。誠に残念ながら、開催予定でありました第15回「やさしく学ぶ正信偈」講座を、この度も中止することに決定を致しました。

第15回 10月15日(木)   中止

今年度開催予定の全5回、度々の中止のお知らせで、開催を楽しみにご予定を空けていただいていた皆様には大変申し訳ありませんが、これ以上の感染拡大を防ぎ、人命、健康を守る観点からご理解の程、何卒宜しくお願い申しあげます。

尚、来年の開催につきましては、新型肺炎コロナウィルスの状況を踏まえて検討をしていく予定です。開催の有無につきましては、ホームページ又はフェイスブックにてお知らせ致します。

2020(令和2)年度 備龍会Web総会

6月23日(火)に備龍会総会を開催しました。今回は、新型肺炎コロナウィルスの感染防止対策として、Zoomを用いたWeb会議を導入いたしました。執行部と監査委員の7名は備後教堂に集合し、会員参加者22名は自宅から総会に臨みました。

Web総会の様子

総会は、ご本尊への合掌礼拝から始まり、会長挨拶の後、議題(8項目)についての審議に入りました。

総会資料

行事報告では、予定していた行事の半分近くが中止になったことが報告され、コロナウィルスの影響を大きく受けた年度報告となりました。また、重要議題である行事計画(案)と2020年(令和2)年度予算(案)については、案通りに可決され、行使されることに決定をいたしました。

今回の総会では、退会会員4名と新入会員1名の報告があり、各会員がWebをとおして挨拶を行いました。最後には各専門部(研修部、交流活動推進部、広報部、野球部、みのり煎餅、災害対策、浄土真宗青年僧侶連絡協議会)からの報告があり、特に研修部からは、「やさしく学ぶ正信偈」講座の7月開催の是非についての問題提起がなされ、その結果中止と決定いたしました。

各会員:自宅からのリモート参加

初めての試みであり、不安のなか行われたWeb総会でしたが、トラブルもなく想像以上に円滑に進めることができました。Web会議は、災害などの非常時にも有用であり、この経験は今後の備龍会にとって大きな財産となりました。

会長:閉式の辞

2020年「やさしく学ぶ正信偈」講座のご案内

本年も「やさしく学ぶ正信偈」講座を開講いたします!

親鸞聖人は「浄土真宗の教え(南無阿弥陀仏のおはたらき)に出遇ったならば、むなしい時を過ごしていく人はいない」と仰られています。その浄土真宗の教えが凝縮されているのが、「正信偈」です。

本年も玉木興慈先生(龍谷大学教授)が、時間をかけて丁寧に分かりやすく解説してくださいます。初めて仏法に触れる方、ご門徒の方、寺院関係の方、また、途中からの参加に迷われている方も、どの回から参加されても聞きやすく教えを味わうことのできる講座となっております。
「正信偈」を通して、浄土真宗の教えを〝やさしく×楽しく×有り難く〟ご一緒に学ばさせていただきましょう!!

尚、本年より下記の時間で開催を致します。
各回  14:30 ~ 17:00 (受付14:00~)

※新型肺炎コロナウィルス感染拡大に伴い、「やさしく学ぶ正信偈」講座の以下の日程を中止に致します。

第11回 4月9日(木)      中止
第12回 5月14日(木)   中止
第13回 7月9日(木)      中止
第14回 9月10日(木)     中止
第15回 10月15日(木) 中止

ご予定を空けていただいた皆様には、大変申し訳ありませんが、感染拡大を防ぎ、人命、健康を守る観点からご理解の程、何卒宜しくお願い申しあげます。


日時

第11回      4月  9日(木) 中止
第12回      5月 14日(木) 中止
第13回      7月  9日(木) 中止
第14回      9月 10日(木) 中止
第15回 10月 15日(木) 中止
各回  14:30 ~ 17:00 (受付 14:00 ~)
※休憩を間に取ります 

場所

本願寺備後教堂(広島県福山市東町2丁目4-5 ℡084-924-5759)

講師

玉木 興慈  先生(龍谷大学教授) 

対象

どなたでも(申し込み不要)

参加費

各回2,000円

お問合せ

電話  : 084-924-5759
MAIL :  dragonjournalonweb@gmail.com 

仏教教養講座『歴史に学ぶ浄土真宗の安心-三業惑乱-』

去る2月17日、本願寺備後教堂にて備龍会主催『仏教教養講座』を開催いたしました。この講座は広く一般の方に仏教に触れてもらいたいという願いのもと、年に1回開かれている公開講座です。本年度は奈良県より三浦真証先生をお招きして「歴史に学ぶ浄土真宗の安心~三業惑乱~」と題して、ご講義を頂きました。
三業惑乱とは江戸時代に起こった教義論争であり、この三業惑乱を通して、「浄土真宗の信心」についてお話を頂きました(※三業惑乱の概要については本文最後に記載)。講義の内容はここではすべてをお伝えすることができないほど、充実したものでした。ですので、印象に残った点を2点ほどお伝えさせていただきたいと思います。

三浦真証 先生

まず1点目は、「浄土真宗の歴史を学ぶという事は、自分を問題にするという事が大切である」という事です。先生は「ただ過去にあったこととして歴史を学ぶのではなく、自分の事として歴史を学ばなければ、浄土真宗の歴史を学ぶ意味はない」と教えてくださいました。ただの歴史の知識として蓄えるのではなく、その場に自分を置いて考えるということが非常に重要なことだと思いました。先生は「セカイノオワリ」というアーティストの「ドラゴンナイト」という歌の

”人はそれぞれ「正義」があって、争い合うのは仕方ないのかもしれない。だけど僕の「正義」がきっと彼を傷つけていたんだね”

という歌詞を紹介され、正義を握りしめるところに争いがあると、ご講義をくださいました。「過去に三業惑乱という争いがあったんだなぁ」というのではなく、その事を通して「私自身も正義を握りしめて、他を傷つけているのではないだろうか」という視点を持つことを忘れてはならないと思いました。      

そして2点目は、「浄土真宗の信心は無条件のすくいにただおまかせするばかり」という事です。浄土真宗の信心というものは、阿弥陀様を信じて、お願いするのではない。「そのままお浄土へ迎えとりたい」と私にすでに願いをかけて、はたらきかけて下さっている阿弥陀様に「そのままおまかせする」のが浄土真宗の信心であると、懇切丁寧に教えて下さいました。さらに現代社会を「総強迫性社会」と表現してくださり、現代社会は「○○でなければならない」という強迫社会であり、そのような現代であるからこそ一切の条件をつけられずそのままの私を、そのまま認めてくださる阿弥陀様のお慈悲は大きな救いになると力強くご講義くださいました。

今回は『三業惑乱』という少し専門的なテーマではありましたが、非常にかみ砕いて、ユーモアを交えてお話くださいましたので、はじめての方でも大変聞きやすいご講義だったように思います。講座終了後、お参りの方々が「わかりやすい話でした」「とてもおもしろい内容でした」と口々に仰ってくださっていたのが、なにより嬉しかったです。

当日はたくさんのお参りを頂き誠に有難うございました。また三浦先生におかれましては、ご多用のところ備後の地までお越しいただき、貴重なご講義を下さり、大変有難く存じます。備龍会会員一同御礼申し上げます。

※三業惑乱とは…江戸時代中期に浄土真宗本願寺派内で教義をめぐって発生した大規模な論争。本願寺派第6代能化(学僧のトップ)功存の教義理解を第7代能化智洞が広めたことにより、惑乱が起こる。この論争は全国を巻き込む日本最大の教学論争になるが、最終的に地方広島の学僧大瀛が正す形で終息するこれを機に本願寺派は、教学理解をとても大切にする教団になっていく。

浄青僧 本山総参拝2020

1月28日(火)、備龍会は総勢11名で浄土真宗青年僧侶連絡協議会(以下:浄青僧)本山総参拝に参加しました。浄青僧とは、全国にある浄土真宗本願寺派の青年僧侶団体が一堂に会し、様々な研修を行い、親睦を深める組織です。半日という短い時間でしたが、内容は大変濃いものでした。その様子を少しレポートします。

備龍会会員

まずは、本願寺の御影堂にて開会式が行われました。開会式にはご門主様もご臨席くださり、次世代を担う青年僧侶への期待のお言葉を述べてくださいました。そして、最後に主催教区である春秋会(安芸教区)会長のご挨拶があり、開会式が閉じられました。

御影堂での開会式

その後、会場を安穏殿(本願寺境内の建物)に移し、今回のテーマ「ブッダスケール ~子どもたちの願い・仏さまの願い~」のもと研修会が始まりました。

研修会

研修会の最初は、春秋会会員によるワークショップ。内容は、一枚の簡単な迷路が渡され、それを利き手とは逆の手で行うといったものです。しかし、ただするだけでなく、その間スタッフからは「早くやりなさい!」「なんで出来ないの!」などの容赦ない言葉が浴びせかけられます。冗談と分かっていても、その言葉にプレッシャーを感じ、迷路を上手にすることができないのです。それが終わると再び新しい迷路が配られ、同じように利き手とは逆の手で行っていきます。しかし、今度はさっきとは違い、スタッフから「上手だね」「すごいね」などの優しい言葉がかけられるのです。すると、全く違う心持で迷路をすることができました。同じ迷路をするのでも、掛けられる言葉によって心理状態が大きく変わることを実感しました。親が子供に掛ける言葉も、大人が思っている以上に、子供に大きな影響を与えていることを知る体験となりました。

ワークショップ

続いて、今回の研修のメインである白石正久先生(龍谷大学教授)によるご講義がありました。先生は、糸賀一雄先生(日本で初めて知的障害児等の入所・教育・医療を行う「近江学園」を創設された人)の活動やお言葉を通して、「子どもたちの願い」について分かりやすくご講義してくださいました。

そのなかでとても印象的だったのが、「すべての子どもは、より良く生きようとするたたかいのなかにある、そのことに共感していくことが大切である」というお言葉です。発達には個人差があります。けれども、大人はその発達に「早い」「遅い」などの評価を与えてしまいます。しかし、すべての子どもは、必死により良く生きようと願いたたかっているのです。そのことを知って共感していくことを「発達的共感」と言い、この共感の世界が形成されることが大切であると教えていただきました。

そして、最後に白石先生と花岡静人先生(本願寺派布教使)との対談がありました。「阿弥陀様の分け隔てなく救う」というお心を通して、多様性が尊重される社会の実現のために、僧侶自身が常に問題意識をもって寺院活動を行っていくことが大切であると聞かせていただきました。

白石正久先生
花岡静人先生

夜には、懇親会がありました。ここでは、「久しぶり!」「元気しとるん?」などの言葉が飛び交い、友人との久々の再会を喜ぶ声が聞こえていました。また、普段会うことのない他教区の僧侶と様々な意見交換をし、多くの刺激と学びを得る場となりました。

この度の浄青僧本山総参拝で学んだことを、備龍会の活動に繋げていきたいと思います。安芸教区春秋会の皆様、大変お世話になりました。誠に有り難うございました。