粒あんのヒーロー

今年も残すところ1ヶ月となりました。

2018年最後の備坊録を担当させていただきます。立神です。

この1年を振り返ってみますと、備後地区を含め全国各地で多大な被害をもたらした自然災害がありました。

被災されました方には心からお悔やみ申し上げます。

みなさまはどのような1年であったでしょうか?

 

この度は、みんな大好き!子供の心を掴んで離さないヒーロー。”アンパンマン”の魅力を書かせて頂きます。

 

アンパンマンがそれいけ!アンパンマン」という名前でテレビで初めて放映されたのは、なんと私の生まれた1988年。現在広島では毎週日曜日朝5時15分から5時45分まで放映されています。ロングセラーなことにもビックリですが、もっと驚きなのは何といってもキャラクターの多さ!2200種類以上のキャラクターが今までに登場しており、アニメシリーズのキャラクター数がギネス記録に認定されているそうです。

 

私も子供の頃は夢中になっていましたが、最近では2歳の娘と一緒に毎週欠かさず見るようになりました。そんな中、子供の頃に感じていた面白さだけではなく、大人になって見てみると、また新たな魅力に気づきました。

 

例えば、主題歌の「アンパンマンマーチ」は、アンパンマンの産みの親である「やなせたかし」さんが書かれたもので、本来は

 

「そうだ うれしいんだ 生きるよろこび…♪」

から始まりますが、テレビでは途中の

「そうだ おそれないでみんなのために 愛と勇気だけが友達さ♪」

 

から始まります。

この曲を聞き、子供の頃は純粋に

「アンパンマン友達いないのかなぁ?」

なんて思っていましたが、大人になり曲を聞き歌詞を知っていく中で「この歌詞にはどんなメッセージが込められているんだろう?」と深く興味を持ちました。

「何のために生まれて 何をして生きるのか 答えられないなんて そんなのはいやだ」

子ども向けのアニメとは思えないこんな難しい問いも歌われていて、自分への問いとしても大変考えさせられます。

※ 私の知る限りでは歌詞の意味には諸説あるようで、やなせたかしさんご本人も明確には答えられていないようですので、ここで歌詞の考察は控えさせて頂きます。

 

「それいけ!アンパンマン」は1話完結。これが見やすくて、今日はどんなキャラクターが出てくるんだろぅと毎回ワクワクしていたのを覚えていますし今でも楽しみです。だいたい流れはいつも一緒なんですけどいつもどぉなるんだろ?とドキドキさせられます。

いつも平凡に暮らしているアンパンマン(いつもパトロールしてる)と仲間たちですが、必ずあいつらがやってくるんです。「ハ~ヒフ~ヘホ~」といろんな悪巧みをしながらバイキンマンとドキンちゃんコンビ。敵キャラクターの中でも唯一毎回登場する2人です。

 

毎回違うキャラクターが登場し、見るものを楽しませてくれますがこれまた毎回違う方法で悪さをするバイキンマンとドキンちゃん。そんな2人の前にいつも絶妙過ぎるタイミング

アンパンマン

やめるんだバイキンマン

バイキンマン

出たなお邪魔虫

とお決まりのやり取りを交わしながら現れるアンパンマン。

少しやりあった後、基本的に顔が濡れるか汚れるかして一度やられかけて、絶体絶命のピンチ。そこでこれまた絶妙のタイミングでバタ子さんの登場。見事なストライク送球(バタ子さん何者?)で無事復活し、最後はお決まりの「アンパーンチ」「バイバイキーン」


子供たちはこの瞬間を待ちわび、歓喜し、その喜んでいる子供の顔を見て大人たちも笑顔になるのでしょう。


これがだいたいの流れで1回の放送で2話分放映されます。

しかし、私が一番伝えたいのは

「無償の愛!」

毎日みんなのためにパトロールをしバイキンマンをやっつけます。しかし忘れてはいけません。アンパンマンはお腹が空いている人がいたらほっとけません。一瞬も迷うことなく自らの顔をあげるんです。

 

すぐあげます。めっちゃあげます。

その度に新しい顔を焼くジャムおじさんのことを考えたことがあるんでしょうか?私なら「アンパンマン、マジええ加減にせぇよ」と愚痴の一つも言いたくなります
しかしいつもみんなを助けるアンパンマンの姿、アンパンマンに助けられた人々の喜ぶ顔を思い浮かべながら、笑顔で新しい顔を焼き続けるジャムおじさん。素敵すぎますね。

そんなジャムおじさんの力添えの中、困っている人に手を差し伸べ、決して見返りを求めることなく無償の愛を与える。それこそアンパンマンの魅力ではないでしょうか。

 

私たちであれば何かをする時にはついつい見返りを求めてしまいます。「優しくしてるんだから感謝してほしい」、「人に物をあげた時にはお返しがないと腹を立てる」、「電車で席を譲ったのにお礼の言葉もなかった」、などとやった行為に相当する何かを欲しがるのが私たち人間です。その心の中には「~してあげているのに」という自己中心的な気持ちがあります。

 

人を助ける時も自らの顔をあげる時も見返りを求めずただ一方的に救っていくアンパンマン。

「何があっても見捨てない。私に任せよ。」と一方的に働きかけ抱きとって下さる阿弥陀様のお心とよく似てますね。そんなことをアンパンマンを通じ感じながら、今日も子供と一緒にアンパンマンを見ています。

 

最後に娘の「アンキーック!」

 

筆者 立神 寿昭