「やさしく学ぶ正信偈 七高僧編」 第3回を開講致しました!

3月4日に「やさしく学ぶ正信偈 七高僧編」の第3回目の講座を開講致しました。ご講師の龍谷大学教授 玉木興慈先生には大阪のご自宅からライブ配信をしていただき、その映像を備後教堂、御調東組浄泉寺様、世羅組正満寺様の3会場に設けたスクリーンに映す形で進行致しました。

備後教堂
御調東組浄泉寺
世羅組正満寺

第3回目の講座では曇鸞大師を讃える文「往還回向由他力」を中心にご講義を賜りました。

曇鸞大師は七高僧の中で最初に「他力」という言葉を使われ、私たちが理解できるように他力の教えを明らかにしてくださいました。その教えは正信偈に「報土因果顕誓願 往還回向由他力 正定之因唯信心」と説かれています。

文中にあります「因果」とは原因(因)があって結果(果)が生じるという道理であり、例えば一生懸命勉強したからテストで良い点が取れた(善因善果)、また逆に勉強を怠ったから悪い点を取った(悪因悪果)といった考えです。この二つをまとめると自業自得・・・自らの行いが自らに帰って来るという考えとなります。

仏教はこの因果の道理を説く教えです。そして、浄土真宗も仏教ですから、因果の道理に則った教えであります。しかし、こと「浄土に生まれ、仏様になる」ということに関して、自業自得の論理で考えると、それは阿弥陀様のお心からずれていくことになります。

曇鸞大師が明らかにされた他力とは阿弥陀様の「必ず救う、我にまかせよ」という本願の誓いにこの身をまかせる教えであります。ですので、浄土往生の因果には私たち自身の力や行いが入り込むことはありません。私たちを浄土往生させるはたらき(因)も、私たちが浄土往生するという結果(果)も、全てが阿弥陀様のお力によるものなのです。

阿弥陀様はそのお力を「南無阿弥陀仏」と今まさにお届けくださっています。私たちはそれをいただく「信心」ばかり、つまり信心ただ一つで仏果が定まると言うのが「正定之因唯信心」のお心でありました。南無阿弥陀仏。

新型コロナウイルスの影響により、半月ほど延期しての開講となりましたが、当日は多くのご参加を賜りました。玉木先生におかれましても大変貴重なご講義を賜り、誠にありがとうございました。備龍会会員一同、深く御礼申し上げます。

次回の講座は【道綽禅師を讃える文「唯明浄土可通入」を中心に】と題しまして、5月25日(水)に同3会場にて、同じ講義形式で開催いたします。皆様のご参加を心よりお待ちしております。